読売新聞の社説にODA改革が取り上げられています。
「欧米では、英国が国際開発省、カナダが担当相の下に国際開発庁を置き政策の企画立案から実施まで担当させている。ドイツは、開発協力省が企画立案を担当し、実施は復興金融公庫、技術協力公社などに任せている。」
この点についてフランスでは、外務省、経済財政産業省(日本の財務省および経産省に相当)、フランス援助庁(AFD)の3者が主要関係機関ですが、近年の援助改革でAFDが開発援助の中核機関となることが決定されています。
フランスは、アメリカ、日本に続く第3の援助大国ですが、複数の省庁が関係する複雑な援助システムの改善が必要と以前より言われており、この点で日本と似た状況にあります。ここでフランスがとった選択肢は、開発の専門機関であるAFDの役割を強化するというものでした。これによって有償資金協力(日本の円借款=国際協力銀行が実施)、無償援助(日本では外務省が実施)、これらに関連する技術協力(日本ではJICAが実施)の実施を全てAFDが行うことになり、これらの援助スキームを組み合わせて効果的な援助を実施するよう改革が進んでいます。
記事で触れられているイギリスは、1997年の労働党政権の誕生以降、外務省傘下にあった海外協力庁を国際協力「省」に昇格させ、クレア・ショートのような有力者を大臣に配置、以来貧困削減重視、途上国の債務削減、一般財政支援(途上国で個別プロジェクトを実施するのではなく、財政に直接支援を行う)などを提唱し、開発援助の世界でリーダーシップをとってきました。近年のフランスの援助改革は、イギリスが開発援助の世界でリーダーシップを発揮していることに対抗することもその背景にあると言われています。
今回の日本のODA改革の議論では、開発援助の効果を高めるという視点、行政の効率化を図るという視点、開発援助外交において他国に負けない体制作り(日本の主張が他国の主張にかき消されないようにする)という視点の3点が重要と思います。
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