津波復興支援
スマトラ沖地震、日本の無償援助は7割未使用という記事が朝日新聞(12月5日付)に掲載されていました。
これに関連してですが、OECD開発援助委員会は、各国が表明した津波被災国への支援のその後のフォローアップをしており、先日、同委員会のHPにその結果が掲載されました。これをみると次のようなことが読み取れます。
1.津波被災国支援については、各国が相次いで支援意図を表明し、その額がどんどんエスカレートしていく「援助競争」の様相を呈していましたが、その内容は国により結構違うこと。日本は、5億ドル全てを短期の緊急援助としていますが、各国は、実は緊急援助が占める割合は多くなく、中長期にわたる支援を想定していたこと(他国は、うがった見方をすれば、今回の被災国に対して津波があろうがなかろうが供与していたであろう将来の援助金額を計上してしまっているのかもしれません。日本もそうやろうと思えばできたはずですが、そうしませんでした)。
2.その結果、支援意図表明53億ドルに比して、実際にディスバース(資金の支払い)が行われた額は16億ドルと約3分の1にとどまっていること。
日本が5億ドルという巨額の支援を、しかも全て短期の緊急援助として既に100%ディスバース済みであるということは、地震大国であり津波という言葉を生んだアジアに位置するドナーとして賞賛されてしかるべきものだと思います。ただ、それが相手国内で滞留してしまって「緊急支援」としての目的を果たしていないというのは残念です。他国の緊急支援はどうなのかについては、残念ながらこの開発援助委員会の資料では読み取れません。
しかし、考えてみれば被災国で追加的に供与された17億ドル(注:各国が約束した緊急支援の額)を消化するのは、平時であっても困難であろうと思われます。まして津波被害にあったあとであればなおさらで、そういう状況下で1年という短期にスムーズに執行できる国は先進国でもそうないでしょう。
大事なことは、滞留している資金を今後適切に使用することはもちろんのこと、「緊急支援」を行うにあたり、今回何がワークして何がワークしなかったのかをきちんと評価して、大災害の際の緊急支援はどのようにして行うべきか、教訓を次に生かすことだと思います。
追記:新聞記事しか読まずに書いてしまいましたが、外務省HPにスマトラ沖大地震及びインド洋津波被害二国間無償資金 協力に関する中間評価報告書が掲載されていました。これによれば現地での入札手続、契約はかなり進んでおり、これから順調に資金も流れていく見込みのようです。「緊急援助」という用語が誤解を招いていますが、短期の復興支援と解すれば今後十分な効果が期待できるものと思われ、追記するとともに、現場で尽力しておられる大使館、JICA、JICSの関係者に敬意を表したいと思います。
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コメント
のっち様
コメント頂きありがとうございます。今回の災害支援では早期から資金使途のトレース、支援意図表明のフォローアップを国際機関が会計事務所と連携して行うことが表明されており、この点でも画期的なことですね。タイの取り組み(DAD)については承知していませんでした。教えて頂きありがとうございます。
実は西訪旅遊は以前にもアクセスしたことがあり、被災直後の状況やその後の現地の復興の状況、のっちさんを含む様々な方の取り組みなどを貴重な情報として拝見しておりました。
私は途上国や開発に関心があり、たまにブログに書いていますが、現場から離れたPCの前で書いているにすぎませんので、宜しければ今後もたまに覗いていただき、変なことが書いてあればご指摘頂ければ幸いです。
投稿: participant | 2005年12月29日 (木) 11時25分
西訪旅遊にコメントありがとうございます。
災害支援はかけ声だけで終わってしまうことも多く、一昨年のイランの地震はその援助額が当初の1/10ほどしか支払われていないと聞きます。
その中で我が国の災害援助に関する取り組み方は、世界に誇れるものだと思います。
ご参考までにDADというタイの支援金の用とを記したサイトがありますのでご覧いただければと思います。
ところで、支援といえば、お金は二次的なものであり、人的支援があってのことと思います。
私は被災時にその人的支援によって帰国することができたと感じています。それは、政府が云々というものではなく、プーケットやピピの人が自発的に行ってくれたものです。
それ故、私は津波のことを書き続けよう、タイへもう一度行こうと思ったわけです。
こういうことがあった事実を多くの方に伝えたい
・・・そう願っています。
投稿: のっち | 2005年12月28日 (水) 21時38分