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2006年1月20日 (金)

ODA戦略に首相直属の会議

朝日新聞に「ODA戦略に首相直属の会議 麻生外相が構想」という記事が掲載されています。会議の名称は、「対外経済協力会議」ということです。

この記事を読んでの第一印象は、これまでもあった「対外経済協力関係閣僚会議」と何が違うのかということです。少人数会合に変えることで意思決定を早める狙いということですが、「対外経済協力関係閣僚会議」が機能しなかったのは、参加閣僚が多かったからなのでしょうか。

先日、ウィリアム・イースタリーの講演に関する話題をエントリしました。そのなかで、イースタリーは、ミレニアム開発目標への取り組みが失敗している原因として、課題(この場合ミレニアム開発目標の達成)に集団で取り組んでいるが故に、個別のプレーヤーが責任を問われない集団無責任体制になってしまっていることを挙げています。つまり、個別のタスクを個別のプレーヤーに与え、個別に責任を与えないと、課題に真剣に取り組もうという正しいインセンティヴが働かないというのです。この理屈は、旧共産圏の集団農場が生産性が低い一方で、農民に個人栽培を認めたとたんに生産性が向上した事例などによって経験的にも証明されています。

既存の対外経済協力関係閣僚会議が機能しなかった原因も、この集団体制にあるのではないでしょうか。ODAに関わる話をみんなで話しあって決めるわけですが、その結果、ODAの成果が上がらなかったとしても、個別に責任を問われる省庁はありません。しいて言えば、ODAの総合調整機能を果たすことになっている外務省が責任を問われるのでしょうが、その外務大臣にとってさえ、ODAというアジェンダは、数多くあるアジェンダ(日米関係、日欧関係、日中関係、安全保障、イラク問題、エネルギー問題、海外の邦人保護、等々)の一つに過ぎません。

記事では、「麻生氏はODA戦略に関する新たな会議について、首相直属で防衛上の重要事項を審議する安全保障会議の仕組みにならうことを提案」とありますが、この安全保障会議が機能しているのは、まさに防衛という個別の専門的タスクに責任を負っている、防衛庁という組織が存在するからではないのでしょうか。

だとすれば、ODAに戦略性を持たせるための解決策とは、これまで失敗してきた閣僚間会議の焼き直しではなく、防衛における防衛庁に匹敵する、専門的タスクに個別に責任を負う組織の設置、すなわちODA庁の創設であるように思います。

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