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2006年1月 2日 (月)

戦略の本質

「戦略の本質 戦史に学ぶ逆転のリーダーシップ」(野中郁次郎ほか著、日本経済新聞社)を読みました。同書は週刊東洋経済の2005年経済書・社会科学書ベスト100で「経営のヒントを戦史から得るという視点で分析を加えた今年の代表的著作」と紹介されています。

この本では、毛沢東の反「包囲討伐」戦、バトル・オブ・ブリテン、スターリングラード攻防戦、朝鮮戦争など、逆転を生み出した戦略を分析し、その共通項を抽出し、戦略の本質を「10の命題」(「戦略は真の「目的」の明確化である」「戦略は時間・空間・パワーの「場」の創造である」「戦略とは義(ジャスティス)である」など)にまとめています。

結論である10の命題は、抽象度が高く、すぐにそのまま経営のヒントにできるというよりは解釈が必要ですが、頻繁に使われる割に意味内容が曖昧模糊としている「戦略」をどう分析するかにおいて有用ではないかと思います(例えば、こちらの資料にあるODA戦略をこの命題に当てはめて分析してみるなど)。

なお、東洋経済の書評では、「歴史・戦史愛好家も楽しめる」とありますが、そういう意味でも面白い本です。特に、第3次中東戦争でシナイ半島を奪われ、長年のイスラエルとの紛争で財政破綻の淵にあったエジプト・サダト大統領が、奇襲攻撃で緒戦に勝利することを主眼においた「限定戦争戦略」を用い、緒戦をとることによりアメリカの影響力を引き出し、結果シナイ半島を取り戻しつつイスラエルとの和平に持ち込んだ第4次中東戦争の事例が、その構想力、外交力の観点から大変印象深いものがありました。

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