障害競走はどのくらい危険なのか
スプートニクの障害入りを巡ってネットでいろいろ議論されているのをみると、どちらかというと障害入りについてネガティヴな意見が多いようです。
障害入りを嫌う理由の一つに「障害競走は危ないのではないか」というものがあります。
実際のデータはどうなっているでしょうか。今年、これまでにJRAで行われた障害競走は107レースを調べた結果は以下の通りです。
延べ出走頭数 競走中止 競走中の疾病発症
1432 68 14
(4.7%) (1.0%)
出所はJRAのHPのデータファイル。競走中の疾病発症頭数は、備考のところに疾病を発症をした旨書いてあった頭数を記述しています。
このデータをみると、落馬などで競走中止するのは大体25走に1回、競走中に骨折や腱の断裂、ハ行、鼻出血などの疾病を発症するのは100走に1回ということになります(注)。
(注)ただし、疾病発症以外の競走中止の理由はほとんど「着地の際つまずいて落馬」ですが、つまずいた際に怪我をしたかどうかについては明らかではありません。たとえば先週東京オータムジャンプで予後不良となったコネクトフォー号については単に「着地時に転倒したため競走中止」とされているだけでしたので、実際には着地に失敗した際に怪我をする馬もいるはずです。
つまりスプートニクが息の長い活躍をして、今後25回ぐらい障害レースにでたとしても出資者が「はっ」とするシーンは1回あるかないか、また、障害競走中に疾病を発症するのはハートランドヒリュ並みに競走歴を重ねればあるいは1回あるかもしれない、ぐらいの確率となります。
ちなみに競馬国際交流協会のHPによれば、フランスの障害競走では騎手は12騎乗に1回の割合で落馬しているそうで、それ比べると日本の障害競走は約半分です。
これはおそらく出走頭数と関係があります。同じく競馬国際交流協会のHPの記事で「チェルトナム競馬場の事故防止対策」というのがありますが、そこで興味深いのは、「全ての事故が出走頭数20頭以上のレースで起きている」という記述です。今年の日本の障害競走の1レースあたり平均出走頭数は13.4頭で、少頭数のレースゆえに密集せず、それが落馬の少なさにつながっていると類推されます。
さて、これらを踏まえた上でスプートニクの障害入りをどう考えるか。「明日は明日の風が吹く」の記事によればスプートニクの飛越センスは絶賛されているということですし、飛越が上手ければ一般にイメージされているほど障害は危険なものではなく、挑戦する価値は十分ある、というのが私の考えです。
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コメント
みんさん、こんにちは。コメントありがとうございます。愛馬日報を拝見しましたが、確かにコネクトフォー号のような痛ましい事故を間近でみると落ち込みますしよね。お気持ちお察し致します。
スプートニクはどのぐらいでターフに登場するのでしょうね。障害初出走の馬達をみると案外前回平地を走ったときからの間隔は短くて、放牧をはさまない場合だと1ヶ月ぐらいで出てきている馬もいるようです。スプートニクは飛越が上手だそうですから、あとは他馬の落馬などに巻き込まれないよう祈りながら応援しましょう!
投稿: participant | 2006年10月21日 (土) 18時40分
participantさん、こんばんは。
少し安心できるデータのご提供、ありがとうございます。
でも、やはり私は怖くてレースを直視できないかもしれません。
コネクトフォーのレースをライブで見てしまったことを、とても後悔しています。
でも、仰るとおり、ネガティブになっていてはいけませんよね。
幸いなことに障害デビューまでにはかなり時間があるでしょうから、その間に心の準備をしておくこととします。
投稿: みん | 2006年10月20日 (金) 01時12分