« マイネルクルーガー勝つ! | トップページ | デルタブルースの快挙 »

2006年11月 7日 (火)

日本とフランス 二つの民主主義

Photo_2 「日本とフランス 二つの民主主義 不平等か、不自由か」(薬師院仁志著、光文社新書、740円)を読みました。

分かりやすく、非常に面白い本です。

民主主義には自由と平等の2つの流れがあるが、アメリカを手本とした戦後日本民主主義には自由主義(小さな政府、結果の不平等)はあるが平等主義(大きな政府、公的介入による結果の平等の達成)はない、しかし世界的にみると自由主義を唱える保守勢力と平等を重視する左派勢力の間で政権は行き来しており、日本にも自由よりも平等を重視する選択肢があってもいいのではないか、というのが本書のメインテーマです。

日本と対比されるのがフランスの民主主義で、国民が多少の不自由は忍んでも国家が平等を保証する社会の例として引き合いに出されていますが、これを読んで「フランスみたいな生き方も結構いいんじゃないか」と思う人は多いのではないでしょうか。この本では雇用に関する規制(フランスでは正規雇用が原則でアルバイトがない。従って正規社員とフリーターやパート労働者の格差といった問題が生じない)や、零細商店を守るための規制(セールの時期や営業日の規制)を例に引きつつ以下のように述べます。

日曜日に買い物さえできないようなフランスは、何かと不自由だ。ただ、問題は、どのような自由が真に守るべき自由であって、どのような不自由が犠牲にしても惜しくない不自由なのかということであろう。われわれは、その判断を真面目に考えなければならない。もちろん、必ずしも平等主義が自由主義よりも優れているわけではない。だからこそ、的確な事実認識に基づく選択が重要なのである。(強調は引用者)

なお、この本では日本の左翼勢力がなぜ凋落したのかについて明快な分析がされており、この点もポイントが高いです。自民党と政策の差異をつけるのに四苦八苦している野党はこの本が参考になるのではないでしょうか。

|

« マイネルクルーガー勝つ! | トップページ | デルタブルースの快挙 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 日本とフランス 二つの民主主義:

« マイネルクルーガー勝つ! | トップページ | デルタブルースの快挙 »