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2006年12月18日 (月)

ステレオタイプを排す

土曜日の朝日新聞朝刊に同社のシリーズ企画「新戦略を求めて」に関する紙面審議会の記事が載っていました。

この記事を受けた三浦昭彦・編集担当の言葉。

日本の対外戦略を考えるうえでODAをどう生かすか。その重要性をご指摘いただいた。政府はODAを戦略的に活用してきたとは、とても言えない。報道も、企業を潤すだけだとか、橋や道路ばかり造っているとか、とかく後ろ向きな面を書いてきた。しかし、日本が世界で孤立せず生きていくにはより有効なODA活用策を考え、伝えていかねばならない。組織改革をきっかけに編集局の各グループの力を結集して取り組んでいきたい。

ここにもありますように、とかくODAについてはばらまきであるとか、箱物重視であるとか、ステレオタイプな報道が目立ちます。しかし、よくみるときちんと内容を吟味せずにレッテル張りをしているようにも見えます。

例えば、橋や道路ばかり造っているという批判ですが、発展途上国にとっては運輸インフラは極めて重要です。道路とは一見関係なさそうな児童の就学率とか乳幼児死亡率といった指標も、アクセス道路がある村とない村では有意な差があります。また、雨季には不通になる道路や橋のない川が、どれだけ物流に影響を与え、その地域の経済発展を阻害しているかについての理解が足りないのではないかと思うときもあります。

企業ばかり潤すという批判も、開発途上国では失業率が高く、雇用を生み出すのは民間セクターであるということを踏まえていません。民間セクターの育成なしにどう経済は発展できるのでしょうか。

もちろん、インフラ整備や民間セクター育成のみならず、ガバナンスの強化や教育も重要です。が、箱物だから悪い、企業を潤すから良くない、といった根拠なきステレオタイプ報道はODAの有用性から読者の目をそらしてしまいます。

シリーズ企画「新戦略を求めて」のこれまでの記事を読むと、ステレオタイプな記事は少ないように思いますので、ぜひ、紋切り型ではない視点でODAを報道してほしいと思います。

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