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2006年12月23日 (土)

グローバリゼーションを正す

Making_globalization_work スティグリッツの「世界に格差をバラ撒いたグローバリゼーションを正す」(原題はMaking globalization Work、徳間書店、1800円)を読了。

グローバリゼーションは全世界の人々に恩恵をもたらすものなのに、適切なガバナンスメカニズム(言い換えると政治のグローバリゼーション)がないために、一部の国や利益集団(石油産業、製薬企業、補助金漬けの先進国の農家等)を潤すものになっており、先進国と開発途上国、国内の富裕層と貧困層の格差が広がってしまっている、という問題意識で書かれている本です。

取り上げられているのは開発途上国の貧困、貿易ルール、環境問題、知的財産権、天然資源管理、債務問題、安定的な国際金融市場など幅広いですが、スティグリッツらしいわかりやすい文章で書かれています。

特に印象深かったのは、次の2点。

まずドルが基軸通貨であることから途上国もドル(米国短期国債)を外貨準備として積んでおかなければならず、他方において米国短期国債は利回りが低く海外から借りるドル建て融資の金利は高いため、資金のフローは仕組み上、途上国から世界で最も豊かなアメリカに流れているという指摘。

もう一つは、先進国内におけるグローバリゼーションへの対応について、貿易自由化は非熟練労働者の賃金を引き下げてしまうため、労働力の技能向上をはかるとともにセーフティネットを充実させ、所得税の累進性を増大させるべきなのに、アメリカでは累進性を下げられセーフティネットは弱められているという点。これは日本にもそのまま当てはまりそうです。

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