「法令遵守」が日本を滅ぼす
「「法令遵守」が日本を滅ぼす」(郷原信郎著、新潮新書、680円)を読みました。
帯にある「閉塞感、事なかれ主義、蔓延する弊害の数々・・・あなたの会社もコンプライアンス病?」という文句に思わず買ってしまった人も多いはずです。
法令遵守はもちろん重要ですが、守るべき法令が時代にそぐわなくなっている場合は、法令遵守をしていても社会的要請に応えていないというケースが出てきます。
たとえば国の場合「予算の単年度主義」というものがあります。ほぼ工事完了の目処は立っているが年度内の完工が無理な場合、年度を越えると支払いができなくなるため、完工したものとみなして(「みなし完工」)、支払いをしてしまったとします。実態上は問題ないはずですが、コンプライアンスには違反しているので、発注者も受注者もケシカランということになります。
しかしこのようなケースでは、制度の硬直さのツケを受注者にまわしているようにも思います。
法令が社会的要請にあっていない場合、それに応じて法令を変える必要がありますが、それができる立場にない者はどうしたらようでしょうか。
「法令遵守が日本を滅ぼす」では、締めくくりとして、組織の構成員一人一人が社会的要請に鋭敏性をもっていればそれは組織の鋭敏性の強化につながり、組織は進化すると書かれています。私もせめてアンテナを高くするよう、努めたいと思います。
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