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2007年5月21日 (月)

援助の供与停止は有効か

先日、ある新聞で、人権NGOの方が人権侵害を行っている国に対する援助は停止すべきという趣旨のことを述べている記事を読みました。

「そんな国への援助はやめてしまえ!」とはよく聞くセリフですが、「相手の行動を変える」という目的を達成するために、援助の供与停止というのはどの程度有効なのでしょうか。

過去に援助の供与を停止した例としては、私の記憶する限り、核実験を行った後のインド、パキスタンへの円借款の停止、中国への無償資金協力の停止がありますが、援助を停止することによって日本政府の姿勢を示すことは出来たものの、引き続きこの3国は核の保有を安全保障上の重要手段と位置づけており、相手の行動を変えるという目的は達成していません。

人権問題があって長らく援助供与がとまっているミャンマーについても、状況は似たようなものです。

国家財政の半分を他国からの援助でまかなっているような国ならともかく、アジアの国においては国家財政に占める開発援助の割合は微々たるものです。他方、開発援助をとめてしまうことは、「援助を止める!」といった瞬間は溜飲が下がるかもしれませんが、中長期的には持っている外交チャンネルのひとつを放棄してしまうことになります。

援助の供与停止が必要となるケースもあると思いますが、相手の行動を変えたいのであれば、援助の供与停止という手段はこれまでの例を見る限り有効とは言いがたく、それよりも、他の手段も組み合わせて相手国との対話や外交的駆け引きによって働きかけを行っていくほうがいいのではないかと思います。

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