アフリカ支援をするもうひとつの意味
サミットではスーダンのダルフール問題が取り上げられ、ニュース23でもダルフールからの現地レポートがありました。
数百万人が難民化し今世紀最大の人道危機といわれている現地の状況はひどいものですし、国際社会がアクションを起こす必要性は理解しつつも、「でも、地理的にも遠く歴史的にも関係が薄い日本がそこまでする必要があるのだろうか? 旧宗主国や地理的に近いヨーロッパに任せておけばよいのでは」と思った人も多いと思います。
ダルフール問題に限らず、日本がアフリカ支援をする際には必ず「アジアならわかるが、なんで日本が大変なときにアフリカなんだ?」という疑問の声が出されます。
こうした疑問への回答は人道的意義、対テロ対策などさまざまですが、もうひとつ別の視点をあげると、「他の国際問題における日本に対する支持を得るため」というものがあるのではないでしょうか。
サミットに限らず、最近の首脳会談では、かならず北朝鮮による日本人拉致問題への理解と支持が日本側から求められています。今回のサミットでも拉致問題が議長総括で触れられています。
ヨーロッパ各国にしてみれば、拉致問題は自国の国益とは全くといっていいほど関係がありません。その関係のなさは日本とアフリカの関係の薄さ以上です。しかしアフリカの問題を「ヨーロッパ(とアフリカ諸国)の課題」として距離をとるのではなく、日本として積極的に汗をかくことが、別のアジェンダ、例えばヨーロッパ諸国とは関係のない拉致問題でのヨーロッパ各国の日本への支持を得ることにつながっているのではないでしょうか。
有体にいってしまえば外交はギブアンドテイクということですが、「自国の都合だけを言っている国」はよほどのスーパーパワーでない限り、外交の場で利益を得ることはできません。
選挙では国際協力は票にならず、とくにODAは「減らす」ことを掲げる政党が大半ですが、そのインプリケーションについてはよく考える必要がありそうです。
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コメント
KINTAROさん、はじめまして。拙い論考にコメント頂きありがとうございます。「めぐりめぐって日本の国益につながる」というのはそのとおりだと思います。麻生大臣の「ODA・情けは人のためならず」のスピーチでも「長い算盤を弾く」と言い方をされていますが、なかなかそうした長期的利益をうまく説明できないのが難しいところですね。
投稿: participant | 2007年6月12日 (火) 23時06分
外交はギブアンドテイク、この視点は良くわかります。慧眼ですね。また、宗教的、政治的に中立な日本に頼ることで、受入国側はドナーのリスク分散を図ることができますね。いずれめぐりめぐって日本の国益につながるときが来るのでしょう。
投稿: KINTARO | 2007年6月11日 (月) 22時16分