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2007年6月21日 (木)

とてつもない日本

Totetumonai外務省HPの外務大臣記者会見を読むのを楽しみにしている身としては読まねばなるまいと思い、読んでみました。

とてつもない日本(麻生太郎著、新潮新書、680円)

麻生大臣は、祖父が吉田茂であることや、若いころにシエラレオネに赴任されていたこと、会社経営をされていたこと等が背景にあってか、より長い時間軸や空間軸の座標上で現在の日本がどこに位置しているのかをきちんと把握している印象があります。

現在のポストに関連する第1章「アジアの実践的先駆者」、第2章「日本の底力」、第6章「外交の見取り図」、第7章「新たなアジア主義」などは興味深いです。

冒頭のデリー地下鉄のエピソードや日本のサブカルチャーの影響力も印象的ですが、私は、アジアの未来を語った締めくくりの言葉が素晴らしいと思いました。

(略)アジアにおいては依然として貧困、疾病そのほかの苦しみを目にする。しかし、もはや絶望への後戻りはないように思う。なぜなら、今ではこうした子供たちが、自らの一生のうちに目標や夢を達成するための、目に見える確かな機会を与えられつつあるからだ。

柄にもなく美辞を弄しすぎたかもしれない。日本人が過度に肩に力を入れる必要はない。明日から出来ることは、今日までやってきたことと、少しの違いもない。

それはすなわち、懸命に働くこと。知識や経験を分かち合うこと。成功と失敗の体験を共有するため、機会をとらえて対話を重ねていくこと。その中から、政治でも経済でも、ベストプラクティスを互いに学びあっていくこと-。これらがアジアを今日のアジアにしたのであれば、明日から私たちにできることも、これらと変わるところはないのである。

同じ労働を、同じ努力を、今から三十年後を夢見て行う。やがて建つ、風通しの良い家々が作るだろう平和な集落(引用者注:アジア地域のこと)の様子をはるかに望みながら進めるのだとしたら、それは、暗闇の中の手探りとは雲泥の差をもたらす歩みとなるだろう。

こういうビジョンを語れる外務大臣を持つのは幸せなことだと思います。

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