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2007年11月16日 (金)

マイクロソフトでは出会えなかった天職

労働市場が流動化してきた昨今では事情が変わってきているかもしれませんが、従来、公的セクターと民間セクターの間で人が行き来することは少なかったように思います。

これは日本だけの現象ではないようで、援助関係の国際会議で出席者が「民間セクター開発が大事といいつつ、我々自身は民間セクターからもっとも遠いところにいるんだよね」などと自嘲気味に語るのをみたことがあります。

その援助業界にバリバリの民間セクター出身者が乗り込んできたらどうなるか。

「マイクロソフトでは出会えなかった天職」(ジョン・ウッド著、矢羽野薫訳、ランダムハウス講談社、1,600円)はその意味で大変面白い本でした。

著者のウッド氏は、マイクロソフト社の幹部でしたが、ネパール旅行で本が数冊しかない学校を訪れてから人生が変わり、マイクロソフト社を辞して開発途上国に図書室や学校を建設するNPO(ルーム・トゥ・リード)を設立するに至ります。

その過程で彼は、マイクロソフト社で培った成果主義を主体とするマネジメント能力をフル活用し、寄付金を集める際には常にルーム・トゥ・リードがどれだけの成果を達成したかを数字で示し、そのことで急速に事業を拡大していきます。

マイクロソフト社で成功していたにもかかわらず、その地位を捨ててNPO設立に至ったこと、受益者からフィードバック(子ども達の喜ぶ姿や学校関係者、地域住民の感謝)を糧に常に前へ前へ進んでいく著者の姿はすがすがしく、読んでいるうちに「自分にもなにかができる」という気持ちがわいてくる本です。

「学校をたてたとして、その後のランニングコストはどうするのかなあ」とか、「組織が大きくなるときっと官僚的な側面もでてくると思うけど、それをどう克服するのだろう」など、月並みな疑問は湧くのですが、そうした疑問が野暮に思えるぐらい、著者のストレートな気持ちが伝わってくる本でした。

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