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2007年12月25日 (火)

勝者の呪い

「セイラー教授の行動経済学」の原題は、The Winner's Curse(勝者の呪い)といいます。

勝者の呪いとは、オークション(セリ)において勝者となったものは必然的に「敗者」となる呪いをかけられているというものです。

一般にセリにおいては、平均入札額は対象物の「価値」を下回るが、最高価格はその価値を上回るという実験結果が得られています。現実世界でも、野球のFAや石油採掘権の入札でも、落札した企業は期待ほどの成果を得られていないことが実証されているそうです。

より多くのプレーヤーが参加するセリでは、セリに参加する人たちが妥当と考える価格(入札額)の平均が対象物の客観的な価値を表すものと考えられます。セリで一番札を勝ち取る人は、当然のことながらその客観的な価値以上の対価を支払うことになり、セリの勝者は敗者となる可能性が高いということになります。

この傾向はセリの参加者が多く、競争が激しくなればなるほど強まります。そうとわかっていてもセリ負けていてばかりでは何も手に入れられないのがつらいところです。

さて、ラフィアンでは一般に「セレクトセール出身馬は値段のわりに走らない」ということが言われています。これは「勝者の呪い」がかけられているからではないでしょうか。

ラフィアンは市場や庭先で「掘り出しもの」をみつけてくるのがうまいと言われています。売却率の低い市場では競争も少ないでしょうから、自分の思ったとおりの価格(つまり安価で)買えます。他方、競争の激しいセレクトセールではそうはいかず、値はどんどんつりあがっていきます。その結果、競り落としたとしても「勝者の呪い」がかかってしまい、値段ほどの活躍ができないというわけです。

カタログで「セレクトセールの上場馬において何としても手に入れたいと思い、購買しました」(クロカミの06)などと書いてあると「相馬のプロにそこまで言わしめる逸材なのか!」と興奮してしまうものですが、そういう馬ほど「勝者の呪い」がかけられている危険な馬なのかもしれません。

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