「国際化」に対する備え
今月号のラフィアンの会報で、岡田紘和社長が「国際化に対する備えを」というタイトルの巻頭言を書いています。
その中で、岡田社長は、
- これまで生産者として国際化に反対のスタンスをとってきたこと、
- このままでは日本の賞金を狙って外国人馬主が強い馬をもってくるであろうこと、
- 百歩譲ってJRAが非居住外国人馬主を認めるのであれば、調教師や騎手、厩務員についても自由化すべきであること、
- 生産地保護対策として、内国産馬所有奨励賞を増やして内国産馬をもつインセンティヴを付与すること、
を主張しています。
ここでは、外国人馬主が外国の馬を日本で走らせることが前提になっていて、実際に日本にやってきそうな外国勢力はそのように考えているのだろうと思いますが、この前提は切り離して考えることも可能です。
生産者側(供給側)にとってみれば、買い手である馬主(需要側)が増えるのは悪い話ではありません。同会報にある西山茂行氏のコラム「個人馬主のいななき」によれば、馬主の99.8%は赤字だそうで、そんな儲からないことをやる奇特な人は日本国内では数が限られているので、外国にも捜し求めたほうがよさそうです。
したがって非居住外国人馬主を認めることは、それ自体は悪いことではない。
ただし供給側としては競合する生産者は少ないに越したことはありません。同じく、今月号の会報には「シャムロックの草原から」で児玉敬氏が、野生かと見まがうような広大な土地で馬を育成しているアルゼンチンの話が出てきますが、確かにこんな競合者が増えては馬産地は大変です。
そのためには外国産馬が日本に来られないようにする、もしくは来ても儲からないようにして、つれてくるインセンティヴを削げばよい。
具体的には関税を高く設定したり検疫にかかるコストを増やしたり、優先出走権で異なる扱いをしたり、岡田社長が提案するように内国産馬所有奨励賞を手厚くすることによって、○外なり□外なりをもってきても有利にならないような方策をとれば良い、ということになります。もちろんこうした方策は自由貿易の考え方には反するものですし、オーストラリア等の輸出国側からは厳しく批判されるでしょうから、実際の運用はなかなか困難だとは思いますが。
ということで、話を岡田社長の巻頭言に戻すと、生産者からすれば非居住外国人馬主が増えること自体は悪いことではないはずですが、ラフィアンは馬主という立場ももっていますので、非居住者外国人馬主にも反対、という主張になるのでしょうね。
【追記】
というエントリを書いたらSouthendさんの「傍観罪で終身刑」にこんな衝撃的な記事が。
うわ。これはラフィアン等の既存クラブにとっては強力なライバル登場です。ただ、ダーレーが○外馬ばかりを募集するのではなく、グランデラやムーンバラッドなど彼らの日本繋養種牡馬を父とする日本産の馬を購入し、募集にかけるのであれば、生産者にとっては資金力豊かな買い手が増えるわけですから朗報のはずです。
| 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (1)


最近のコメント