« 2008年2月 | トップページ | 2008年4月 »

2008年3月

2008年3月30日 (日)

「国際化」に対する備え

今月号のラフィアンの会報で、岡田紘和社長が「国際化に対する備えを」というタイトルの巻頭言を書いています。

その中で、岡田社長は、

  • これまで生産者として国際化に反対のスタンスをとってきたこと、
  • このままでは日本の賞金を狙って外国人馬主が強い馬をもってくるであろうこと、
  • 百歩譲ってJRAが非居住外国人馬主を認めるのであれば、調教師や騎手、厩務員についても自由化すべきであること、
  • 生産地保護対策として、内国産馬所有奨励賞を増やして内国産馬をもつインセンティヴを付与すること、

を主張しています。

ここでは、外国人馬主が外国の馬を日本で走らせることが前提になっていて、実際に日本にやってきそうな外国勢力はそのように考えているのだろうと思いますが、この前提は切り離して考えることも可能です。

生産者側(供給側)にとってみれば、買い手である馬主(需要側)が増えるのは悪い話ではありません。同会報にある西山茂行氏のコラム「個人馬主のいななき」によれば、馬主の99.8%は赤字だそうで、そんな儲からないことをやる奇特な人は日本国内では数が限られているので、外国にも捜し求めたほうがよさそうです。

したがって非居住外国人馬主を認めることは、それ自体は悪いことではない。

ただし供給側としては競合する生産者は少ないに越したことはありません。同じく、今月号の会報には「シャムロックの草原から」で児玉敬氏が、野生かと見まがうような広大な土地で馬を育成しているアルゼンチンの話が出てきますが、確かにこんな競合者が増えては馬産地は大変です。

そのためには外国産馬が日本に来られないようにする、もしくは来ても儲からないようにして、つれてくるインセンティヴを削げばよい。

具体的には関税を高く設定したり検疫にかかるコストを増やしたり、優先出走権で異なる扱いをしたり、岡田社長が提案するように内国産馬所有奨励賞を手厚くすることによって、○外なり□外なりをもってきても有利にならないような方策をとれば良い、ということになります。もちろんこうした方策は自由貿易の考え方には反するものですし、オーストラリア等の輸出国側からは厳しく批判されるでしょうから、実際の運用はなかなか困難だとは思いますが。

ということで、話を岡田社長の巻頭言に戻すと、生産者からすれば非居住外国人馬主が増えること自体は悪いことではないはずですが、ラフィアンは馬主という立場ももっていますので、非居住者外国人馬主にも反対、という主張になるのでしょうね。

【追記】

というエントリを書いたらSouthendさんの「傍観罪で終身刑」にこんな衝撃的な記事が。

ダーレ-が日本の一口馬主業界に参入へ。

うわ。これはラフィアン等の既存クラブにとっては強力なライバル登場です。ただ、ダーレーが○外馬ばかりを募集するのではなく、グランデラやムーンバラッドなど彼らの日本繋養種牡馬を父とする日本産の馬を購入し、募集にかけるのであれば、生産者にとっては資金力豊かな買い手が増えるわけですから朗報のはずです。

| | コメント (2) | トラックバック (1)

障害デビュー!サンベルナール

サンベルナール(父バブルガムフェロー、牡4)が中山競馬場の障害未勝利戦に出走します。

かれこれ10年以上一口をやっていますが、障害に転向した馬を持つのは初めてです。10年ほど前、イギリスで1年半暮らしたときに冬季の障害競走にハマって以来、いつかは障害での活躍馬を持ちたいと思っていたのですが、いよいよ初の障害戦をむかえることになりました。

今日は久々のレースで馬体重もプラス24kgと増えていて、いきなり上位は無理かもしれませんが、ジャンパーとしての資質をみせてほしいところです。

【レース後追記】

好スタートから好位置を進むも、徐々に順位を下げていき、やがて映像から消えて結局先頭から6.5秒差の10着

レース後のジョッキー談話では「最後までバテていない」ということですが、初障害とはいえ3分22秒は時計が掛かりすぎでは…。

飛越はうまいように見えましたし、太目を叩いて次走に期待、といきたいところですが、障害未勝利戦は2ヶ月ぐらい間隔をあけないと出走できないというのがなんともつらいところです。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2008年3月28日 (金)

つぶせ!裁判員制度

あなたは刑事裁判の被告になったら、裁判員に裁かれたいですか。それとも裁判官に裁かれたいですか。

私なら、どちらかといえば後者です。

という意識を持っていたので、本屋で「つぶせ!裁判員制度」(井上薫著、新潮新書、680円)を見つけたとき、思わず手にとってしまいました。

著者は元裁判官ですが、裁判員制度の問題点を本書で指摘します。

裁判所は国民の代表たる国会が定めた法令を適切に適用する(「すべて裁判官は、・・・この憲法及び法律のみに拘束される」)ことで民主主義のコントロールが効いています。法律を適切に適用するためには、相応の専門知識が必要であり、であればこそ司法試験制度があるわけです。

ところが裁判員制度が始まると、法令について素人の裁判員が、事実認定や法令の適用、量刑の決定を行うことになります。「法律のみに拘束される」となっていても、その法律がわからなければ拘束されようもなく、結局、主観とか多数決とか、なんとなくとか、そういう法律以外の基準で判断されるおそれが非常に強い。

そういう制度は憲法違反であり、施行前に取り消すべく国民は行動を起こすべきである、というのが本書の主張です。

思うに、普通の人は、法律の知識とかいう以前に条文を読んでそれにあてはめるという作業に慣れていないのじゃないかと。会社で規程とか規則があるのに、わずか数ページ、数行の条文ですら読まずに人々が大雑把に仕事しているのをみるとつくづくそう思います。

そういうのが普通の人なのに、その普通の人が裁判に参加して法令を適切に適用するというのは確かに非現実的という気がします。

ところで裁判員制度って誰が、どういう目的で導入を推進しているのでしょう。現場の裁判官や弁護士も、そして国民も望んでいないのに(裁判員をやりたいという人は少数という世論調査がある)、なぜ導入が決定されたのか、不思議です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月25日 (火)

競馬への課税強化は人を幸せにするか

週刊東洋経済の3月15日号で大竹文雄大阪大学教授が「中毒財への課税強化が人を幸せにする」と題するエッセーを掲載しています。

中毒財とは、たばこ、ギャンブル、酒のように依存症になりやすい財のことをいいます。

中毒財は、過去により多く消費していればしているほど、今消費することの満足度がおおきくなるという特徴を有しているため、続ければ不幸になることは分かっているのにそこから抜け出すのは難しいとされます。つまり、アル中になったりタバコで健康を害したり、スッて身を持ち崩したりする。

特に、中学生のときに夏休みの宿題を夏休みの最後の方にやった人(=いやな物事を後回しにする人)ほど、タバコをすいやすく、ギャンブルをしていることが多く、借金を背負う確率も高いそうです。

そこで大竹教授は、こうした人々が不幸になるのを防ぐため、中毒財への課税強化による価格引き上げや販売の禁止を提唱します。

最近、韓国や台湾でパチンコが法的に禁止されたそうだ。タバコやギャンブルに対する課税や規制を強めることで人々が幸福になるのなら、真剣に検討してはどうだろうか。

今年に入り、いわゆる一口馬主の世界では従来よりも取られる税金が増えましたが、これによって人々は幸せになるでしょうか。10年ぐらいたって「ああ、あの税制変更のとき足を洗っておいてよかったなあ」と。

当たりを引くのが難しい世界ですから、単に損得勘定から言えばそう思う確率は高いと思いますが、それもなんだか味気ないですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月17日 (月)

湘南国際マラソン

20080316085437 湘南国際マラソンを走ってきました。

なんとか完走しましたが、武士の情け、タイムは聞かんでください・・・。

2月は風邪で走れず、3月も年度末で仕事が忙しくて走れず、それでもまあなんとかそれまでの貯金でなんとかなると思ったのですが、思った以上につらかったです。

よく「その日はもう二度と走るものか」と思うが、翌日になるとまた出たくなっている、と聞きますけど、今のところそのような気持ちはわいてきません・・・(笑)。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2008年3月11日 (火)

はじめて読むドラッカー

Professional 普段、あまり経営書を読まないのですが、職場で「良い」と聞いて読んでみました。

はじめて読むドラッカー【自己実現編】 プロフェッショナルの条件

一部、一般論すぎてピンと来ない箇所もないわけではありませんが、そこかしこに「気付き」を与えてくれる文章がちりばめられていて、結構よみながら「おお」と思ってしまいました。

例えば「権限に焦点を合わせてはならない」と題した一節。

貢献に焦点を合わせることこそ、成果を上げる鍵である。仕事の内容、水準、影響力において、あるいは、上司、同僚、部下との関係において、さらには会議や報告など日常の業務において、成果を上げる鍵である。

ところがほとんどの人が、下の方に焦点を合わせたがる。成果ではなく、権限に焦点を合わせる。組織や上司が自分にしてくれるべきことや、自らが持つべき権限を気にする。その結果、本当の成果を上げられない。
(Part2 3章 貢献を重視する P.83)

確かに、この決裁をどうやって通そうとか、この処理は規程に従うとどうなんだっけ…みたいなことばかりに気をとられていると、組織の中のことばかり考えてしまいがちです。

そうではなく、ドラッカーは、貢献に焦点を合わせることによって、成果が存在する唯一の場所である外の世界に注意を向けることの重要性を説きます。

「そんなのあたりまえじゃないか」といわれてしまいそうですが、特にバックオフィスにいると組織内のことばかりでアタマが一杯になってしまいますので、目が開かれた思いがしました。

その他にもいろいろとためになることが書いてあって、「もっと前に読んでおけばよかった」と思わないでもありませんが、「もう手遅れでは」と思う心を本書の中の次のエピソードが勇気付けてくれます。

ある夜、19世紀の作曲家ヴェルディのオペラを聴いた。1893年に書いた最後のオペラ「ファルスタッフ」だった。(略) そして私は、既にワーグナーと肩を並べる身でありながら、しかも80歳という年齢で、なぜ並はずれて難しいオペラをもう一曲書くという大変な仕事に取り組んだのかとの問いに答えた彼の言葉を知った。

「いつも失敗してきた。だから、もう一度挑戦する必要があった。」

私はこの言葉を忘れたことがない。
(Part3 1章 私の人生を変えた七つの経験 P.98-99 強調は引用者)

すごいの一言です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月 9日 (日)

ヴルメリオ、初のダート短距離戦

マイネルヴルメリオが京都8Rダート1400m戦に出走します。

元気に出走を続けてくれることはありがたいのですが、馬の調子はよさそうなのに成績が振るっていないので、距離短縮でなにかきっかけを掴んでくれるといいのですが。

未勝利時代は芝の中距離レースで接戦を繰り返し、昇級後も掲示板が期待できる馬だったのにどうしてこんなことになってしまったのか…。

3走前に武豊騎乗でかかって負けてから「この馬のかかり癖をどうするか」に意識が偏ってしまい、レースで流れに乗れなくなってしまっている感がありますが、今日の田中克騎手には若者らしくあれこれ心配しないで思い切った騎乗を期待します。

ところで、ユニオンのペガサス48(ネオユニヴァース×リキサンフラッシュ)がいつの間にか残口が少なくなってきていますね。最近会員ページにアップされた写真には大物感があり、さすがという感じです。この馬、去年の夏から気になっていたのですが、結局、出資金の元手を作るほどには現在の持ち馬は活躍できなかったなあ…嗚呼。

【レース後追記】

さすがに距離短縮に対応できなかったか、後方からの競馬で直線でも盛り返すことが出来ず2.2秒差の11着。この条件がむいているとはいいがたい結果でした。

中京記念ではタスカータソルテが優勝。1年ちょっと前、未勝利戦で0.3秒差の1,2着だったのに、大きく水をあけられてしまったなあ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月 8日 (土)

けん制機能

申請する人と決裁する人が一緒だとなあ…。

細切れ発注で便宜、百万円未満決裁権限 港湾事務所汚職

捜査2課の調べでは、押味容疑者は、経理管理官として100万円未満の契約について決裁権限を持っていた。広報担当課長も兼ねた押味容疑者は、広報誌の印刷やホームページの作成、東京湾の航空写真撮影、同事務所が開催するイベントなどの業務を企画、発注。この際、契約額が100万円を下回るように業務を分割して発注し、同社に随意契約させていたという。

この記事を読んでまず思ったのは、なぜ経理管理官が広報担当課長も兼務しているんだろう、ということです。

普通は契約を結びたい部署が、契約承認を行う部署に申請を行い、契約担当部で契約内容や選定手続きの妥当性をチェックするようになっているはずです。

港湾事務所は組織が小さいのでやむを得ず一人の職員が複数の役職を兼務していたということなのかもしれませんが、契約とか出納とか、そういった部署の職員は組織内のけん制機能を働かせるべく、他の役職と兼務させてはならないのではないでしょうか。

発注の見返りに商品券などをもらっていた経理管理官が悪いのは当然ですが、組織の仕組みとしてもこうした事件を誘発した原因があります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月 4日 (火)

直感に惑わされる

「ヤバい経済学」のブログに面白い問題が載っていました。

ボールとバットであわせて$1.10です。バットはボールよりも1ドル高い値段です。さて、ボールの値段はいくらでしょう。

A. $1.10
B. $0.10
C. $0.05
D. $1.00
E. $0.15

大概の人は「B」と答えると思いますが、これは不正解。私も間違えました。

正解を得るために紙に方程式を書いてしまいましたよ。学校で習ったことを面倒くさがって使わなければこんな簡単なものもできないのだなとしみじみ思いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月 3日 (月)

「開発援助の経済学」研究会

こんなすごいサイトが立ち上がりました。

「開発援助の経済学」研究会(独立行政法人 産業経済研究所) 

諸外国では英国のODI、米国のCGDなど、開発の分野の研究を行い、それに基づき政策提言をしたり情報発信する機関があり、日本でも政策研究大学院大学などが力を入れていますが、その他にもこんな研究会が立ち上がっていたとは。

論文のダイジェストや執筆者のインタビューなど、私のようなものでもエッセンスがわかるように工夫されていて、大変ありがたい限りです。国際場裏で何か主張する際に、こういう実証研究が背景にあるとないとでは大違いですから、TICADやサミットでも活用されそうですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年3月 2日 (日)

ポートレート廃止

ラフィアンの会報で、これまで1ヶ月に1度送られてきていた出資馬のポートレート(写真と担当者のコメントが入ったもの)を廃止、今後はHP上でダウンロードして印刷できるサイズの写真を掲載するとのお知らせがありました。

私はポートレートが大好きだったので、大変残念です。他のクラブにはない、ラフィアン独自のサービスだったのに。

最初に出資馬の写真と牧場の担当者のコメントが送られてきたときのドキドキ感は忘れられません。当時はきちんとした写真で、担当者のコメントものびのびとしていて牧場と会員をつなぐ素晴らしいツールでした。

転機はやはりポートレートの写真が生写真から台紙への直接印刷になったことでしょうか。画質も悪くなりましたし、私自身も画質が落ちてからは扱いもぞんざいになっていました。そんなわけで今回の廃止も仕方ないか、という気もしつつ、しかし、質を低下させ、それによって廃止に対する会員の抵抗感を緩和させた上での措置のようにも思え、何か腑に落ちません。

最近の会報は昔に比べて情報量が格段に少なくなっていますが、ポートレート同様、そのうち会報もウェブに移行させてコストを下げようという伏線なのではないかと勘繰ってしまいます。

クラブとしては、新税務の対応や法改正などで大変なのだろうし、ウェブページの充実で会員サービスを維持しているということなのだと思いますが、同じ3,000円でも10年前と今とでは受け取っている対価が違うような気がしてなりません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年2月 | トップページ | 2008年4月 »