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2008年5月

2008年5月31日 (土)

アフリカ向け40億ドルの支援は巨額か

TICAD(東京アフリカ開発会議)が終了しましたが、昨日の朝日新聞に「支援策に厳しい目 NGO「債務増懸念」」と題した記事がありました。

今回の会議を機に日本のNGOが結成した「TICADIV・NGOネットワーク」は、福田首相が表明したインフラ整備を中心に5年間で最大40億ドル(約4200億円)の円借款を供与するとの方針に対して見解を発表。

「アフリカ諸国に巨額な借款を行い、再び大きな債務を生じさせることが適切かどうか、強い疑問を感じざるを得ない」と疑念を示した。
(5月30日付朝日新聞朝刊。TICADIV・NGOネットワークの声明文はこちら)。

「巨額」とか「大きい」という場合、「何に比べて」が重要です。

40億ドルは、一個人からすれば巨額ですが、アフリカ全体で考えるとどうなるでしょうか。

IMFのWorld Economic Outlookによれば、2008年のアフリカ全体での対外債務は、2623億ドルです。今後5年間で供与されるという40億ドルは、わずか1.5%に過ぎません

アフリカの対外債務2623億ドルが大きいか小さいかは、GDP比ではかることができます。債務/GDP比は2008年で20.5%開発途上地域全体のこの値は、25.1%で必ずしもアフリカ地域の債務負担が大きいわけではありません。これは近年の債務削減の貢献が大きく、2002年には60.5%もありました。

もちろん、債務削減によって数値が改善したのであって、この5年間でアフリカの経済構造が大きくかわったわけではありません。したがって、数値がよくなったからと言って、また借款を供与すれば債務危機がまた起きるのではないか、という懸念は当然あります。

そのためにはより厳格な対外債務管理真に生産的な投資への供与供与する借款の条件改善が必要です。

借款の供与条件については、近年、大幅に改善されています。こちらのページで確認できますが、LDCかつ貧困国(サハラ以南アフリカの多くがこのカテゴリに入ります)への借款は、金利0.01%という、ほとんど利子なしの条件で供与されます。償還期間は40年、うち最初の10年間は元本の返済は免除されます。

再び債務問題が発生するということは、この条件でも返済できないということになりますが、10年後、無利子でも返済できない状況に陥っているということは、債務問題という以前に、サハラ以南アフリカの経済が今後もゼロもしくはマイナス成長であり続ける、という大変な状況に陥っているということになります。

ちなみに「大きい」「小さい」に話を戻しますと、5年間で4200億円ということは年間にならすと840億円。2007年のインド一国への円借款の供与額は2251億円で、この2.6倍。アフリカ全体でもインド向け借款の額に及びません。

また、日本の公共事業と比べると、財務省HPのたまたま見つけやすいところにあった「平成20年度予算のポイント」をみると、スーパー中核港湾の整備(601億円)と空港等機能高質化事業(204億円)で約800億円。日本国内では、単年度でいくつかの港と空港を整備するのに使うお金にすぎません。

こう比較してみると、アフリカ全体で5年間4200億円というのは、はたして「強い疑問を感じる」ほどの「巨額」と言えるのかどうか、私は疑問です。

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2008年5月30日 (金)

実証する重要性

先日、職場の勉強会である研究者の方が、「どんなに正しいことでも、論文にして権威ある学術誌に掲載されて初めて現実社会に影響力を持つ」ということをおっしゃっていました。また、その論文のネタは実務家の方々がもっていて、研究者とコラボすることでいい研究ができる、とも。

この話をきいて私が思ったのは、諸外国の公共事業における受注企業の国籍と当該事業のコストの研究です。

よく、日本の商社やゼネコンの方から、「他国企業が安値で応札してくるが、途中で建設コストが増したり、工期が遅れたり、完成後もメンテナンスコストが高い。日本企業にまかせてくれればそんなことはないのに、発注者側は安値にだけ目が行ってしまって、理解してくれない」と聞きます。

この点について、ただ言うだけでなく、研究で実証してみせないとなかなか理解が得られないのではないかと思います。たとえば、企業の国籍と建設中のコスト増や工期延長の相関関係について、10億円以上の公共工事や機器調達事業100件を調査して明らかにするとか。だめでしょうか。

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2008年5月27日 (火)

無国籍の人たち

以前、「パリ空港の人々」という映画について書いたことがありましたが、無国籍の人というのは日本にも結構な数がいるようです。

彼らの多くは、難民として第三国の難民居住区に避難したのち、バブル期前後に日本に偽造パスポートなどで入国したという経緯を持っています。あるいは、ある国の難民居住区で生まれ育って、日本に来たような人もいます。

そうした人々は、日本から出国したいと思っても、もともと難民として避難してきたので、脱出元の国には帰れず、また、難民居住区の人たちには当該第三国の国籍も与えられていないので、国籍がない、ということになってしまいます。

彼らは密入国者なので、入国管理法違反で逮捕されると、入管の施設に何年も収容されます。一説によると一人当たり畳一畳ぐらいのスペースしか与えられないらしいのですが、そもそも彼らは国籍がないので、「国に帰れ」といわれても、帰る場所がありません

3年ぐらいすると仮放免されるらしいのですが、その場合でも就労は許されず(就労すると雇用者が罰せられる)、その結果、生活は大変苦しくなります。当然、健康保険などの社会的サービスも受けることはできません。

確かに偽造パスポートで入国したのは法に触れる行為ですが、日本では日本人が就かないような仕事をし、働いていたころはきちんと所得税も払っていた人たちが、このような苦しい立場におかれたままというのは、基本的人権を基本原理に掲げる憲法を持つ国としてどうかと思います。

帰る場所がないのですから、受け入れるほかないのではないかと思うのですが、この問題に関する入国管理局の対応は極めて厳しいようです。

無国籍の問題は特殊なケースですが、一般に難民受け入れについては我が国は厳しい対応をとっています。難民問題や無国籍問題に取り組んでいる人の苦労話を聞いていると、いくら一生懸命ODAをだそうと、「開発コミットメント指標」で日本が最下位というのもむべなるかな、という気になってきます。

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2008年5月25日 (日)

ようやく出走

待ちに待って、サンベルナールが2か月ぶりに障害未勝利戦に出走することになりました。

休養後、ひと叩きしてさらに上昇、といきたいところですが、8週間も間が空いてしまっては、休養明け同然です。調教は順調に積めているので、レース勘が失われてなければいいのですが。

ジョッキーの高野君は「最低でも5着以上を目指して頑張ります」と言ってくれているので、見どころのあるレースを期待。初障害の馬も何頭かいるので、無理な注文ではないと思います。昨日、東京でオープンを勝ったユニオンの先輩、クルワザードに続け!

それにしてもメンバーをみると平地でのオープン馬(ロードマジェスティ、デンシャミチ、ワンダーハヤブサ)や、直近の2走で500万・1000万を連勝しているのになぜか障害転向しているマルカシリウスなんかがいて、平地の脚比べではかないそうもないのに、それが逆転することがあるのが障害の面白さですね。

ちなみにオークス、私は武豊騎乗のマイネレーツェルがいいんじゃないかと思っているのですが、どんなもんでしょうか。いずれにせよ、こんなに雨が降ると荒れそうですね。

【レース後追記】

サンベルナール10着。レコード記録レースとはいえ、9秒近く差をつけられての入線…。なかなか障害の世界も厳しいです。中京コースは障害がない部分が多く、平地の脚がモノを言うのか、上位に来たのはいずれも平地でのオープン馬でした。

マイネレーツェルは、武豊騎手が不利さえなければ勝てたレースとコメントしている由。コースロスなく最内を進み、直線伸びたところではヨシッと思ったのですが。

そんなわけで失意の週末でした。とほほ。まあ、毎週こんなものですが。

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2008年5月23日 (金)

TICAD前の週末に必読

「アフリカ 苦悩する大陸」(ロバート・ゲスト著、伊藤真訳、東洋経済新報社、2200円+税)

ジャーナリストの書く本は、読みやすいけれども個別のエピソードの羅列で概観がつかみにくいことがありますが、本書は英「エコノミスト」の元アフリカ担当編集長が執筆しただけあって、個別の事例を紹介しつつ、全体像や背景をわかりやすく解説しています。

テーマは民族対立、財産権(の欠如)、エイズ、援助、貿易など多岐にわたりますが、本書の通底にあるのはきちんと機能する政府がいかに重要かというメッセージです。欧州のドナーが政府の能力強化とともに、市民社会の育成の重要性をしばしば強調するのですが、その理由がよくわかりました。

TICAD前の週末にぜひとも読んでおくべき本だと思います。

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2008年5月22日 (木)

指名停止と受益者への影響

赤旗より。

大手建設コンサルタント「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI)が、政府開発援助(ODA)事業での不正経理が発覚し、指名停止処分を受けていた二〇〇五年度中も約七十億円ものODA事業契約を続けていたことが二十日、分かりました。(中略)

高村正彦外相は、処分前から調達手続きが開始されていたとして、「指名停止すると事業の遅延をまねく」と答弁。井上氏は「国民の理解は得られない」と批判しました。

指名停止期間中も契約していたと聞くと、井上議員ならずとも「なんじゃそりゃ」と思いますが、指名「停止」の対象である「指名行為」が終わった後であれば、契約は可能というのは理屈としては成り立つと思います。

また、「事業の遅延をまねく」という外相答弁についてですが、これをさらにわかりやすく言えば、それがもし上水道のプロジェクトであれば、途上国の人たちがきれいな水を得るのが遅れるということですし(水汲みをしている子供がいれば、その子供はさらに水汲みを続けなければならない)、農村道路のプロジェクトであれば、農民は遅れた分だけぬかるんだ道を長時間かけて作物を運ばねばならない、ということになります。

で、その受益者たちが途上国政府に「自分たちがこんなにこまっているのに、事業はなぜ遅れているのだ」と問えば、「日本の都合だ」という答えが返ってくるわけです。

指名停止措置なのですから、これから指名行為が行われる調達には措置を受けた企業は調達に参加できません。なので、立派な不利益措置なわけですが、それに加えて、援助効果を損なっててでも(不祥事とは関係のない途上国の人々に迷惑かけてででも)その不利益措置の対象を広げるのがよいのか、というのは、議論のあるところだと思います。

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2008年5月18日 (日)

医学のたまご

31ratokoktl__ss500_医学のたまご」(海堂尊著、理論社、1300円+税)を読みました。

うん、これはいい本です。久し振りに寝るのも惜しんで読みました。

ある中学生がひょんなことから大学の医学部に入学し、研究をすることになった、というストーリーで、そこで発見をしたと思ったら追試もしないうちに教授が発表しようといいだして徐々にトラブルに巻き込まれていく…というストーリーですが、展開にどんどん引き込まれていき、読後感もさわやかです。

中高生向けに書かれたということですが、大人が読んでも面白いです。ジュヴナイル小説は自分が純真無垢だった(?)頃を思い出させてくれるので、そういう意味でもお勧めです。

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2008年5月17日 (土)

またもや2着

直線入口で先頭を行くミヤビランベリに並びかけた時は、やったと思ったのですが…。

四位騎手は「勝った馬が強かった」とコメントしていますが、ほんとにそのとおりです。しかしクルーガーも頑張りましたね。ひと叩きしたにもかかわらずプラス体重、それでも軽快に先行できたところをみると調子がいいのでしょう。

この分であればチャンスは巡ってきそうです。

ちなみに1着、3着はオペラハウス産駒、2着がモンジュー産駒で、いずれも先行した馬たちの決着。レース前に予想した通りの展開になりましたね。馬券もあたって、こういうのは気持ちがいい。

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レースに出られない!

出走すらできないというのはなんとももどかしい。

サンベルナールが最後に出走してから2か月近くが経とうとしていますが、まだレースに出られません。障害未勝利は、出走馬のわりにレース数が少なく、なかなかレースに出られないとは聞いていましたが、これほどとは。

一口はやはり出資馬をレースでみられてナンボですから、このお預けはつらい。未勝利馬が障害転向しても甘くはないだろうと覚悟はしていましたが、別の形の試練もあったんですね。来週はなんとか出られるといいのですが。

一方、前走で2着に入った平地1000万クラスのマイネルクルーガーは、中1週で京都12R鴨川特別に出走。前走2着とはいえ、位置取りがよかったのがものを言ったもので、さらに前進!とは簡単にはいかないと思いますが、勝てるチャンスは相応にあるものと思います。

それにしてもこのレース、サドラーズウェルズ系の馬が多いですね(オペラハウス産駒2頭、シングスピール産駒1頭、モンジュー産駒1頭)。みんな先行して直線は誰が粘りとおせるか、というレースになりそうな気がします。

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2008年5月15日 (木)

災害義援金

2004年のインド洋津波災害のあと、多額の寄付金・義援金が集まったことを受けて、各国の援助関係者は、「市民社会の開発に対する関心は高いことが証明された」「この関心を津波だけでなく、一般の開発問題にもつなげるべきだ」と盛んに言っていました。

こうした議論を聞きながら、当時私は、人々の寄付行為を恒常的な財源として期待するのは現実的なのだろうか、と違和感を感じていました。

5月13日付のヤバい経済学ブログに「あなたの利他的動機はどの程度純粋か?」と題したエントリがありました。

これによれば、アメリカでは2004年の津波(22万人が死亡)の際には19.2億ドル、2005年のハリケーン・カトリーナの被害(1,577人が死亡)の際には53億ドルの義援金が集まりましたが、2006年に発生したパキスタン地震(7万3,000人が死亡)の時には、その額は1.5億ドルに過ぎなかったそうです。

自然災害による被害ということでそれぞれの出来事は共通しており、人々が純粋な利他心を持っていれば、このような差はでないはずです。

ヤバい経済学ブログでは、義援金の額は、マスコミの取り上げ具合によって大きく変わるという研究結果を引きつつ、今のアメリカでは、大統領選挙の前であること、アジアは地理的にアメリカから遠いことなどの理由により取り上げる頻度は多くはならないだろう、との考えのもと、今回のミャンマーのサイクロン災害、中国の四川大地震に対して集まる義援金の量は多くはならないだろう、と予想しています。

また、別の研究結果として、個別訪問による募金集めの実験において、最も募金を集めたのは魅力的なブロンドの女性であったという、ある意味、身も蓋もない事例を引きつつ、我々は、寄付をニーズに基づいて盲目的に行っていると考えがちだが、実際にはそうではない、純粋に利他的な動機というものは存在せず、あるのは「不純な利他的動機」(「正しいことをすることに満足を覚える」という間接的な動機)なんじゃないか、としています。

この記事を読んで、冒頭で述べた私の違和感の理由がわかった気がしました。つまり、人々の利他心というものは確かにすばらしいけれども、テレビの映像や取り上げの頻度などの要因に大きく左右されるので、緊急支援のみならず、恒常的に資源移転が必要な開発の安定的な財源として期待するのは楽観的なのではないか、ということです。

もちろん、このことと災害時の義援金の重要性は別の議論で、私も今日、子供が通っている小学校で行われていたミャンマーのサイクロン被害の募金になにがしかを投じたところですが、これを平常時のファンド・レイジングに進めていくには工夫が必要なんだな、と感じた次第です。それがブロンドの美女なのかどうかはわかりませんが…。

それにしても中国の地震はひどい。アメリカではどうかわかりませんが、日本は隣国ですし、地震についてはひとごととは思えないので、義援金は多く集まるのではないでしょうか。

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2008年5月11日 (日)

ユニオンとグランド牧場

ユニオンの2008年度募集馬一覧が会報、HP会員ページで発表されました。

今年は牡馬の募集も多く、カタログがくるのが楽しみです。牡馬の募集が多くなった一因として、グランド牧場から牡牝あわせて10頭が募集にかけられていることが目を引きます。

これについて、ユニオン会員のぐりもりさんは、5月4日付のエントリでこのように書かれています。

今年もこのシーズンになりました。今月の会報で発表されましたが、最大のサプライズはグランド牧場の10頭出し。過去にここまで偏った募集はありません。これが近頃結果を出している日進牧場だったり、仔分けが多過ぎて毎年どれが出るのか予想がつかない槇本さんとこだったりしたら大歓迎なのだが、お世辞にもこれまで結果を出していない牧場だけに地雷臭い匂いがプンプン。

じ、地雷…。だとすれば気をつけなければ。と思い、過去のデータを調べてみました。

検索条件は現3歳馬~22歳までの20年間で、Targetで調べたグランド牧場生産馬の成績を馬主別に表にしてみると下表のとおり。

全体 HBU グランド牧場 個人馬主
頭数 569 頭数 21 頭数 309 頭数 239
総本賞金 877,257 総本賞金 38,855 総本賞金 346,525 総本賞金 491,877
平均 1,542 平均 1,850 平均 1,121 平均 2,058
メディアン 255 メディアン 130 メディアン 75 メディアン 780

これをみると、グランド牧場生産馬で、ユニオンに提供された馬は、グランド牧場名義で走った馬に比べて本賞金の平均およびメディアンともに上回っています。

スマートボーイやプリエミネンスといった活躍馬はグランド牧場名義で走っていたために、「自家用車しか走らない」というイメージが持たれるのかもしれませんが、全体でみると必ずしもそういうわけではないのかもしれません。

しかし、ユニオン提供馬よりもさらに成績がいいのは個人馬主(グランド牧場名義でもなくユニオン提供馬でもない)に提供された馬たちです。平均獲得賞金は、グランド牧場名義の馬の約2倍、メディアンも780万円と、過半数の馬たちは1勝するぐらいの賞金を稼いでいます。

今回、ユニオンに提供される馬たちは、これまでだったら自分のところの名義で走らせる馬だったのでしょうか、それとも個人馬主に提供する馬なのでしょうか。そこがカギですが、過去のトラックレコードからは後者だと思いたいところです。

ちなみに同じ20年間のユニオン全体の成績は以下のとおり。グランド牧場提供馬の成績はユニオン全体の数字を上回っています。

ユニオン全体
頭数 1,041
平均本賞金 984
メディアン 70

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2008年5月10日 (土)

クルーガーに続け

先週のクルーガーに続いて今週はマイネルヴルメリオが新潟で復帰戦を迎えます。

勢い込んで馬三郎を購入したら、見事に無印。ううむ。

いや、そんなに走らない馬じゃないと思うのですが。調教では2週連続でひっかかったようですので、例によって折り合いがカギとなるのでしょうが、調教の全体のタイムをみれば決して調子は悪くないはずです。良績を残している中京と同じ左回りの平坦コースなので、アッといわせてくれるものと期待しています。

余談ですが、人間の場合、練習ではどれだけ自分を追い込めるか、が重要だったりするので、最初から飛ばして最後へろへろになっても、それはそれでいい練習になるわけですが、競走馬の場合、「折り合いをつけつつ、最後は過不足なく追い込む」ことが必要になるのが難しいところですね。

【レース後追記】

こんなものかなあ…。

先頭から0.9秒差の7着。レースの上がりが34.4秒ですので、上がりの勝負になったのがキツかったですね。速い脚を使えないので、先行粘りこみが理想なのですが、好位置をとろうとするとひっかかるおそれがあるのが悩ましいところです。

でもまあ、良しとしますか…。次ですね、次。

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2008年5月 8日 (木)

日中共同声明

「日中苦心の得点稼ぎ」
「低迷の首相、成果演出」
「パンダ頼りの狙い見え見え」

今朝の朝日新聞の中にあった見出し類ですが、さんざんな言われようですね。

夕刊の素粒子には、こんなのも。

戦略的互恵関係 懸案事項に深入りせず、声明は曖昧表現。わかりやすい成果と言えばパンダ貸与、のような関係をいう。

この素粒子を見たとき、さすがに「揶揄」しかできない朝日新聞に怒りがわいてきました。

こうした見出しを書く整理部記者、素粒子を書いた記者、「狙い見え見え」と投書した神奈川県相模原市の主婦に言いたい。

日中共同声明を一言一句、その意味、含意を吟味して読みましたか?

10年前、宮中晩さん会で江沢民国家主席が行ったスピーチを覚えていますか。その時との違いがわかりませんか。

印象深いのは次の一節です。

中国側は、日本が、戦後60年余り、平和国家としての歩みを堅持し、平和的手段により世界の平和と安定に貢献してきていることを積極的に評価した。双方は、国際連合改革問題について対話と意思疎通を強化し、共通認識を増やすべく努力することで一致した。中国側は、日本の国際連合における地位と役割を重視し、日本が国際社会で一層大きな建設的役割を果たすことを望んでいる。

日本の常任理事国入りを支持する、とまでは行きませんが、国連改革と国連における日本の地位を重視する、と常任理事国入りにつながる表現に踏み込んでいることは特筆されます。

また、早稲田大学での講演は対中援助への感謝の意が表されましたし、また、その模様は中国に生中継されたそうです。これまで対中援助は中国人民に知らされていない、という批判がありましたが、国家主席の肉声でその謝意が表わされたことの意味は大きいのではないでしょうか。

また、目立ちませんが、外務省HPに掲載されている「日中両政府の交流と協力の強化に関する共同プレス発表」でも注目すべき項目があります。

65.双方は、昨年11月に北京で行われた第三国援助問題に関する局長級対話において、対外援助に関する経験の共有及び対外援助の分野における協力の可能性を検討した。双方は、引き続き、実務レベルで対話を継続していく。

66.双方は、昨年9月に東京で行われたアフリカ局長級協議において、各々の対アフリカ政策及びアフリカ情勢等について率直な意見交換を行い、可能な協力のため引き続き協議を強化していくことで一致した。また、中国は、日本で本年5月に開催される第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)がアフリカの発展の促進に向けてより大きな成果を収めることへの期待を表明した。

中国の援助は、OECD諸国の援助潮流とは全く別文脈で実施されており、そのことに対する批判が強まっていたのですが、日本との間でドナー協調をしていく、ということが首脳会談を機に決定されたことは大きな変化だと考えます。

新聞やテレビは、ガス田協議やギョーザ問題ばかりを取り上げますが、「共同プレス発表」の各項目をみると、様々な分野でいい仕事をしているようにみえるのですが、どうでしょうか。なんでもかんでもネガティヴに報じる姿勢はいかがなものかと思います。

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現代アフリカと開発経済学

Modernafrica 今月、TICAD IVが開催されるとあって新聞もテレビもアフリカ関連の番組・記事を多数紹介しています。

TICADはこれで4回目ですが、3回目のときと比べてもその報道振りは際立っているように思います(当時、私のアンテナが低かった可能性もありますが)。

他方、そうした記事を丹念にフォローするのは結構コストがかかりますし、そもそも「アフリカ」といっても北アフリカから南アフリカ、西アフリカから東アフリカまで多岐にわたり、ひとくくりにすることが困難です。

そういうときはやはり新聞記事ではなく、一冊本を読むのがいいのではないかと思って読んでみたのが「現代アフリカと開発経済学 市場経済の荒波のなかで」(峯 陽一著、日本評論社、3300円)。

アフリカの農業の振興、都市化、累積債務、構造調整、飢饉といった課題をルイス、ベイツ、ハーシュマン、アマルティア・センといった経済学者、社会学者が提唱した理論をあてはめつつ解説する、という構成をとっています。

個人的には「農工間労働移動モデル」のルイスがカリブ海出身の非白人経済学者で、自身のルーツである西アフリカの経済開発に実務家として携わっていたというエピソードが印象に残りました。また、「アフリカの飢饉とセン」の章では、今話題になっている食糧問題への対応のヒントとなるような記載もあります。

経済学やアフリカに予備知識がない人がいきなり読むととっつきにくさがあるかもしれませんが、以前紹介した「図説 アフリカ経済」などとあわせて読むと、おぼろげながらアフリカ経済の姿が見えてくるのではないかと思います。

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2008年5月 6日 (火)

曲の名前が知りたい

曲は知っているけど、曲名もアーティストの名前もわからず、CDを買いたくても買えない、ということがありませんか。

私は、ロンシャンなどイル・ド・フランス地区の競馬場で発走直前にかかる曲が、実に勇壮で格調高くて大好きだったのですが、日本に帰ってきてからは耳にすることもなく、「あの曲はもう二度と聞けないのか」とがっかりしていたのですが、先週の土曜日、ウイニング競馬をみていたら…。

青葉賞の有力馬紹介のシーンで、聞き覚えのあるあの曲が。

当然、BGMのクレジットがでるわけでもなく、曲は30秒ほど流れて終わってしまったのですが、思わぬ再会ならぬ再聴に感動。

あの曲、BGMに使われるぐらいなのですから、名の知れた曲なのでしょうが、誰かご存じでしたら教えてくださいませんでしょうか。といっても何の曲のことだかわかりませんよね。

ちなみにテレビ東京のHPのよくある問い合わせにはこんなQ&Aが。

5.番組で流れたBGMを知りたいのだが。

番組ではいろいろな部分でBGMを使用することがあり、基本的にはお答えすることができません。

ガクッ。まあ、そうでしょうねえ。残念。

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2008年5月 4日 (日)

ラフマニノフ 愛の調べ

「のだめカンタービレ」のドラマを見て以来、ラフマニノフにとりつかれていたので、映画館に観にいってしまいましたですよ。

たぶん、戦艦ポチョムキン以来のロシア映画。期待してみにいったのですが…どうでしょうか。

私がハリウッド映画に毒されているのかもしれませんが、もう少し脚本や構成に工夫の余地があったのではないかと思います。

映画はラフマニノフがアメリカにわたってスタンウェイのピアノの宣伝を兼ねた演奏旅行をしているシーンを軸に亡命前にロシアでピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18を作るまでのエピソードなどを振り返る、という構成なのですが、アメリカにわたってひたすら演奏旅行を強いられ、作曲できず苦悩するラフマニノフのシーンが多く、見る者の気持ちを沈ませます。

そこがロシア映画ならでは、なのかもしれませんが、そうした苦悩の後にハッピーエンドが訪れるかというと、まあ、必ずしもそういうわけでもなく、じゃあ音楽が素晴らしいかというと、「のだめ」の方が聴きごたえがあります…といったら言いすぎでしょうか。

そんなわけで映画館を出てきたときは、「んー…」と首をかしげていたのですが、案外、こういう映画の方が記憶に残ったりするもので、見に行った連れと、「自分が監督だったらこうする」などといまだにああだこうだと話をしています。

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2008年5月 3日 (土)

クルーガー復帰戦

期待馬、マイネルクルーガーが京都競馬場の紫野特別(芝1800m)で復帰します。

週半ばの情報では東京の陣馬特別(芝2400m)を予定しているとのことだったので、久々に府中に行くぞ!と思っていたのですが、まあ仕方ありません。

休養明けですし、馬体がコンパクトなわりにどちらかというと使い込みつつのタイプなので目標は掲示板ですが、鞍上も藤田伸騎手ですし、いいところをみせてほしいものです。最近、直線で興奮することから遠ざかっているもので…。

それにしても今日の八重桜賞のマイネルファルケは強かったですね。ムタファーウェク産駒らしからぬスピードで、あれは母譲りですね。

【レース後追記】

スタート直後に右にヨレてはっとしましたが、態勢を立て直して軽快に先行。逃げるダイシングロウにはうまく逃げられてしまいましたが、直線はこの馬もよく伸びて3着以下の追撃をかわし、2着。行った行ったの展開に助けられた面があるとはいえ、力のあるところを見せてくれました。久方ぶりに出資馬がらみの馬券もとれてうれしさも倍増です。

天皇賞は、オペラハウスファンなので例によってメイショウサムソンを応援していましたが、惜しい2着。地団駄踏んで悔しがりましたが、ラスト100mで詰め寄った脚にはしびれました。

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2008年5月 2日 (金)

アメリカの平和部隊を巡る議論

日本で国際協力といえば、まず頭に浮かぶのが青年海外協力隊です。知名度、好感度ともにナンバー1でしょう。私も何人か協力隊経験者の友人がいますが、途上国の農村部で現地に溶け込んでいい仕事をしており、彼らには常に畏敬の念をもっています。

さて、アメリカでは青年海外協力隊に相当する平和部隊(Peace Corps)というものがあります。

青年海外協力隊同様、知名度、好感度ともに高いようですが、Foreign Policy誌に「平和部隊を再考する」という批判記事が掲載され、それに平和部隊経験者がコメントを多数寄せるなど、ちょっとした話題になっているようです。

批判記事の骨子は以下のとおりです。

  • 平和部隊はアメリカ外交の武器になっていない:平和部隊は外交当局とは独立した組織となっており、短期的な外交目的に従っていない。そもそも、途上国の受益者たちは平和部隊がアメリカから派遣されていることを意識していない(ひどい場合にはフランスや日本から来ていると勘違いしている)。
  • 平和部隊は必ずしも優秀な人間を採用していない:最低限の基準さえクリアすれば現地に送り込んでいる。
  • 平和部隊は必要のないところに送り込まれている:必ずしも開発ニーズが高いところに多く送り込まれているわけではない。だれかがある国に対する派遣人数を決めて、その妥当性を問おうとはしない。
  • 平和部隊は開発援助機関ではない:著名な開発協力に関する本を開いても平和部隊への記述は全くない。これは平和部隊が開発協力のモデルとは程遠いことを示している。平和部隊は「開発」の側面と「平和と友情」の構築という側面のどちらを優先するかを決めかねている。
  • 平和部隊は必ずしも現地で歓迎されているわけではない。
  • 平和部隊には派遣人数の計画はあるが戦略がない:成功に関するベンチマークが設定されていない。その結果、カメルーンでは40年以上も前のプログラムが今も継続しているが、真っ当な開発援助機関であれば外部からの援助プログラムが40年も継続して実施されなければならないとすれば、何かが間違っていると考えるべきである。

こうした問題点を指摘しつつ、記事は、優秀な人材のみをリクルートし、開発意欲の高い国に集中的に派遣し、援助効果を出すべきであると締めくくっています。

私は、青年海外協力隊というスキームの評価について必ずしも明るくありませんが、上記の平和部隊に対する指摘のうち、いくつかについては協力隊にも当てはまるのではないかと思っています。

特に「平和部隊は開発援助機関ではない」という点について、青年海外協力隊が日本の援助に関する政策文書に登場することは少なく(ODA大綱にも中期政策にも協力隊の文字は出てきません)、また、個別の素晴らしいエピソードはあってもそれが当該国の経済社会の発展にどのようなインパクトを与えたのか、という評価についてもまだ十分になされているわけではないように思います。

財政状況が厳しく、ODA予算についてもその効果的執行が求められているなかでは、スキームの如何を問わず、「援助効果」がどれだけ上がっているかを定性的・定量的に示すことが必要です。

すでに資金協力と協力隊のコラボレーションとして、スリランカのルナワ湖周辺生活環境改善事業の例などがありますが、今後はこのように協力隊と他の援助スキームを組み合わせて個々の協力隊員の頑張りをインパクトして増幅させる仕組みが求められてくるのではないでしょうか。

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2008年5月 1日 (木)

食糧価格の高騰について

世界的な食糧価格の高騰については、年初あたりからポツポツと聞こえていましたが、4月2日に世銀のぜーリック総裁が行った「現下の世界経済運営における政治的課題」と題するスピーチがなされて以降、連日のようにテレビ、新聞などで報道されるようになりました。

金融市場の混乱を受け、食品価格が高騰しています。2005年以来、主要食糧の価格は80%も上昇しました。先月、コメの実質価格は19年ぶりの高値となり、麦の実質価格に至っては28年ぶりの、過去25年間の平均価格の2倍に達しました。

これは一部の農民にとっては喜ばしいことかもしれませんが、最も弱い立場の人々には強烈な打撃となっています。わずか4~5歳の子供たちが安全な農村を離れて、過密都市の中で食糧を求めざるを得なくなり、食糧をめぐる暴動が社会不安を招き、さらに母親の栄養不良が新生児の健康を損ねる事態につながります。世界銀行グループの推定によると、食品およびエネルギー価格の急騰のため33カ国が社会不安の危機に直面しています。こうした国では食費が消費の半分から4分の3を占めており、ギリギリの状態なのです。
(「現下の世界経済運営における政治的課題」より)

食糧価格の高騰は、ここで言われているように社会不安を引き起こします。自給的な生産活動を行っている農村部では影響は少なく、大きな影響を受けるのは都市部の貧困層です。

ハイチ等での暴動が報道されていますが、都市部で社会不安が高じると政権の崩壊にもつながります。政情不安はさらに経済に悪影響を与え、途上国の困窮度合を深めることから、人道的にもそして政治的・経済的にも食糧価格の高騰には適切な対応が必要です。

適切な対応の具体的内容についてはぜーリック総裁のスピーチの中に示されていますが(*)、貧困層の購買力の向上(食糧を配給するよりもキャッシュを補助した方が効果が上がる)、長期的な農業生産力の向上(技術面での改良、インフラの整備、制度の整備)、農業をめぐる保護貿易の縮小などが必要です。

(*)新聞報道などでも報じられていますが、どうしても断片的になるのでスピーチ本体を読むことが重要です。これはこの件に限らずあてはまることだと思います。なかなか実践するには時間がないですが。

食糧不足は食糧の供給不足が原因で生じることは事実ですが、それが必ずしも飢饉につながるわけではありません。1980年代、アフリカではエチオピアで干ばつによる被害で飢饉が発生しましたが、一人当たり食糧生産量で対してかわらない国はほかにいくらでもありました。

たとえばインドでは、独立後飢饉は1回も発生していません。これは「緑の革命」が起きたことが大きかったのも事実ですが、それ以上にインドでは民主主義とマスコミが機能し、ある地域で食糧不足や飢饉の兆候が起きると貧困層への現金供給などの形で有効需要を作り出し、その地域にほかの地域から食料が流通するよう対応をとってきたからだと言われています。

今回は世界規模での課題となり、そのレベルで民主主義が機能するかが問われています。世界政府はありませんのでサミットにその役割を期待することになりますが、いかに課題に果断に取り組んでいくか、議長国日本の役割は大変重要です。

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