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2008年6月 5日 (木)

政府開発援助の欠点をNGOの支援はカバーするか

この論文は面白い。

NGO aid - Well targeted to the needy and deserving?

政府開発援助(ODA)は、外交的配慮や商業的利益と結び付いているため、真の開発ニーズにこたえていない、という批判があります。

つまり、開発援助といいつつ、政府が行う事業である以上、被援助国との外交関係や国益という「不純物」が入ったり、非効率な相手国政府を通じた支援にならざるをえないために、効果が上がらないという指摘です。

これに対して、NGOはそうした政府が行う事業のしがらみから離れて、より貧しい人々に、政府が機能していない国でも政府機構をバイパスして直接支援するなど、開発ニーズに適切にアドレスしていると考えられています。

ところが。

上記の論文では、いやいや、NGOによる支援も必ずしも所得の低い国々に対してより多く供与されているわけではないし、NGOが強みをもっていると考えられている、政府が機能していない国において活動が活発なわけではない、ということをデータで示しています。

それどころか、ODAとNGOの支援する地域は相当程度かぶっていることを指摘しています。確かに、日本の場合でも、ODAの主要供与先はアジア諸国ですが、NGOの活動も圧倒的にアジア地域が多いですもんね。

また、他のNGOの活動している地域で活動したがる傾向があるため、たくさん援助を受け取る「援助寵児」と、誰からも顧みられない「援助孤児」が生み出されているところも政府開発援助と同じであるとも。

この論文によれば、OECD諸国のNGOの援助額は57億ドルで、スカンジナビア諸国のODA額と同等というのですからインパクトは大きい。援助効果向上や国際協力アーキテクチャーは政府開発援助の一大テーマですが、同じ課題をNGOによる支援も抱えているというのは興味深いものがあります。

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