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2008年8月27日 (水)

南ア共和国の内幕

Inside_south_africa 「南ア共和国の内幕 アパルトヘイトの終焉まで」(伊藤正孝著、中公新書)を読みました。

私が中学、高校の頃は地理の教科書に南アのアパルトヘイトのことが書いてあって、子供心に強い印象を残したものですが、最近の教科書ではどうなのでしょうか。

この本は1971年に初版発行ですから相当古い本ですが、当時の新聞記者が書くルポルタージュには、現代の新聞記事には見られない生々しい迫力があります。

初版のあと版を重ね、アパルトヘイト政策が撤廃される過程が追記されていますが、ネルソン・マンデラにかかる次の記述は感銘を受けました。

当局が奨める転向を決して受け付けず、黒人闘争の象徴といわれた彼は、若き日のヘビー級ボクサーとしての重量感は失っていた。そのかわり、白髪長身の、品の良い紳士となって大衆のもとに帰ってきた。しかしそのリベラリズムと人道主義は変わっていなかった。

マンデラの投獄前の主張と、釈放後の発言を比べてみて、東北大学教養部講師の藤田みどり(比較文化・アフリカ研究)はこう結論づけている。

28年という長いタイムトンネルをくぐりぬけても彼の主張は以前と少しも変わっていない。マンデラが黒人ばかりでなく白人からも支持を得ている背景には、彼が一貫して白人独裁、黒人独裁に反対し、全民族の協調と、均等な機会が与えられる自由で民主的な社会の建設を目指しているからである。彼の本質はそこにある」

28年も、獄中という過酷な環境にあって全く変わらない信念を持ち続けるというのは尋常ではありません。

このブログの2年前の記事を読みかえしてみると、へえ、当時はこんなこと考えていたのか、と自分でも意外に思うことがありますが(たった2年前なのに!)、いつまでもフラフラしているのではなく、信念とまではいかなくても、せめて確固たる座標軸をもちたいものだと思いました。

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