チャンドラヤーンと対印援助
インドが月探査機を打ち上げ、それと相前後するようにデリー-ムンバイ間を結ぶ貨物鉄道建設に総額4,500億円の支援がなされることが報じられています。
以前、中国が有人宇宙飛行を成功させたときには、盛んに「有人宇宙飛行をするような国に援助は必要ない」という言説が多数みられ、その結果かどうか、対中円借款は2008年度を最後に打ち切りとなったのですが、対インド援助をやめよ、という声は聞きません。
これは、ダブルスタンダードではないのか。
インドみたいな新興国に援助をすべきか否か、というのは、あってしかるべき問いかけだと思います。
実際、旧宗主国でインドとつながりの深いイギリスでも、インド向け援助の是非については国内で議論がある、というニュースが何か月か前にBBCで流れていました。
さて、ではインド向けの借款は正当化できるのか。
援助は、真に必要とされているところに供与されるべきである、という点からは最貧国を優先すべきですが、他方において、援助はガバナンスが良好で人々が経済成長のために人的資源・物的資源に投資するインセンティヴを持っている国に供与されないと効果が上がらない、という側面を持っています。
インドは、引き続き貧困人口が多く、他方において世界最大の民主主義国家で比較的良好なガバナンスを有し、経済成長のモメンタムも強いという意味で、援助効果が強く発現する要素を持っています。
今回の支援は無償ではなく、返済を求める有償資金協力ですし、今回の支援はかつて世銀が東海道新幹線に融資したのと同じように大いに意義あるもの、というのが私の意見です。
しかし、4,500億円て、TICADで日本政府が声明を出した5年間で40億ドルのアフリカ支援を上回る金額なのですよね。こうした回廊型の複数の州をまたぐ(アフリカでは州ではなくて国ですが)運輸インフラは、アフリカにこそ必要なのですが。
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