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2009年1月 4日 (日)

世界を不幸にするアメリカの戦争経済

Three_trillion_war 原題はThe Three Trillion Dollar War(3兆ドルの戦争)。ブッシュ政権が終わり、オバマ政権はイラクからの撤退を表明していますが、旬を過ぎたトピックということでは全くなく、依然として読むべき重要図書です。

兵士が現地で生命を賭しているときに金勘定の議論はしにくいものですが、しかし、その戦争によってどの程度の経済的コストが生じているのかを明らかにすることは重要です。

本書で特に印象的なのは、直接の戦費の金額の多さもさることながら、退役軍人への恩給、障害を負った兵士への生涯にわたる補償、戦費を賄った国債の支払などの後年度負担が大きいことです。

これらにイラク戦争によって高騰した石油価格の影響、グローバル経済に与えた影響を加味し、控え目に見積もったコストが3兆ドル。これには機会費用や、イラク国内の人的被害や物的被害は入っていません。

戦争目的であった大量破壊兵器もアルカイダとのつながりもその後否定され、間違った前提に基づいて行われた戦争のコストが300兆円とは恐るべきものがあります。

なお、我が国では安全保障分野での対外的なインターベンションは、常に憲法との関係が論じられ、コスト面について議論されることはあまりないように思います。関与が限定的でコストはネグリジブルなのかもしれませんが、他の政策同様、費用対効果分析は必要なのではないでしょうか。

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