日本の援助、今後の課題
元旦の日経新聞を読んでいたら、2009年の各方面の課題に関する特別紙面で、「外交」のところに開発援助のことが記事になっていました。
外交や国際貢献というと、最近は安全保障分野での話が多いので、そうではなく開発援助と緒方国際協力機構理事長のインタビュー記事を載せた日経新聞のセンスは少し嬉しい。
記事の中では、日本ならではの援助として、インドネシアやパレスチナでの母子手帳の普及やNGO(Chabo!)の取り組み等が紹介されていました。
こうした取り組みは素晴らしい事例として、それ自体が記事になるのは良いことなのですが、年頭なので、あえてさらに求められることとして以下を。
まず、こうしたinterventionが真に有効なものなのかどうかをランダム評価手法などを使って、科学的な手法で立証すること。そうしたエビデンスがないと、他の地域、国への適応や、他ドナーを巻き込んだ取り組みに発展させる上で困難が生じます。
インドネシアの母子手帳については、私の記憶が正しければ、すでに10年以上前からの取り組みです。この10年でインドネシア自身も変容を遂げており、乳幼児死亡率の低下や栄養状態の改善などがみられますが、このうちのどれだけが母子手帳の普及による成果なのかを客観的な評価でみせることが、他の途上国やドナーの関係者をして「よし、では母子手帳制度を我が国(の援助)に」という気にさせる第一歩になります。
次に、こうした取り組みが、相手国の開発援助政策及び他ドナーの援助方針と整合的なものでなければならない、という、「援助調和化」の課題です。
「日本ならではの技術、経験を途上国の発展に役立てよう」という発想は当然ありますし、またそうのような話はマスコミ受けもよいのですが、「日本ならでは」にこだわるあまり、現地で進んでいる調和化の議論と外れたところで独立のプロジェクトとして実施されているとすれば、その後の展開が難しくなり、結果的にインパクトが薄くなります。日本固有、ということも大事なのですが、それはあくまで、相手国の政策や他の援助国が合意した援助政策に沿ったものであればこそです。インドネシアのように日本の援助のプレゼンスが強い国であれば母子手帳のように全国的な展開が可能ですが、たとえばアフリカ諸国では他ドナーとの協力が不可欠です。
ちなみにランダム評価の話などは、FTあたりではTim Harfordのコラムに登場したりします。日経新聞も、クオリティペーパーとして、「ちょっといい話的」な援助の紹介からもう一歩踏み込んだ記事がのったりすると、さらに嬉しいのですが。
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