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2009年2月22日 (日)

グローバリゼーションにかかる討論

「徹底討論 グローバリゼーション 賛成/反対」(スーザン・ジョージ、マーティン・ウルフ、杉村昌昭訳、作品社、1,500円)を読みました。

グローバリゼーションによって一部の有利な富裕層(多国籍企業、先進国)がますます富み栄え、その一方で多くの貧困層(途上国のみならず、先進国内の労働者)は機会を奪われ格差が拡大しているとするスーザン・ジョージと、自由経済によって途上国も含め多くの雇用が創出され所得、教育水準、保健衛生状況も改善されており、問題はグローバリゼーションに参加できていない国があることにある、とするマーティン・ウルフの対談集です。

両者の議論は、立場が異なることもあってかみ合わない部分も多いですが、そうした2人の対談集だけに両者の主張が鮮明になり、その意味で貴重な本だと思います。

なお、訳者あとがきで、こういう箇所があります。

経済学を専門としない私が言うのはおこがましいのを承知のうえで、もう一言付け加えさせてもらうなら、日本の左右の政治家や保守派の論客の中で、スーザン・ジョージはともかく、マーティン・ウルフ程度の教養や認識でも、どれぐらいの人間が持ち合わせているだろうか。

マーティン・ウルフ「程度」とは、どういう言い草かと思いますが、私が購読しているのが朝日新聞だからか、スーザン・ジョージ的言説(マルクス主義的視座にたった現状批判)に比べて、ごく常識的な経済学に則った論説に触れることは少ないように思います。

また、読んでそれに共感する読者数というのも、前者の方が多いのではないでしょうか。

確かに世の中解決すべき問題は多く、このままでよいわけではないのは間違いありませんが、他方において、中国やインド、東南アジア他で多くの人々の生活条件が改善されたことを忘れてはなりません。

正直に告白すれば、私は大学時代はウォーラーステインの世界システム論とか従属理論とか、スーザン・ジョージ的言説に慣れ親しみ、その後、バグワティなどを読むようになって、今ではウルフ側の立場に立っているので、あまり偉そうなことは言えないのですが。

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