巨大プロジェクト?
ごまめの歯ぎしりより。
やっぱりODAは半減せざるを得ない。
有償資金はもっとひどい状況だ。むやみやたらと金額ベースを維持しようとするため、大型プロジェクトにカネを出しまくる。その返還が始まると、国際基準でのODA額は減り始める。
抜本的な改革が必要だ。
「大型プロジェクトに金を出しまくる」という表現からは、大型プロジェクトが悪いという前提があるようですが、はて、大型プロジェクトってなんでしょう。
物事を大きいとか小さいとかいう場合、「何に比べて」がなければ意味をなさない、ということは、「アフリカ向け40億ドルの支援は巨額か」で書いたとおりです。
円借款の場合、過去10年ぐらいの各年度の1件あたり平均承諾額は90億円~140億円ぐらいです。確かに個人の年収だとか、そういう単位で比べれば巨額でしょうが、円借款が目的としているインフラ整備の分野では必ずしも巨額ではありません。
例えば去年承諾したバンコク地下鉄(パープルライン)の600億円の円借款などは、巨大中の巨大プロジェクトのように見えます。
ところが先ごろ完成した都営地下鉄大江戸線の環状部分28.6kmの総工費はいくらかご存じですか。こちらのページによれば、総工費は9,886億円です。バンコク地下鉄が巨大プロジェクトなら約1兆円の超巨大プロジェクトです。
1kmあたりに換算すると、なんと約350億円。バンコク地下鉄の借款額600億円でも2kmも掘れないわけです。
そもそも円借款の場合、いかに有利な条件とはいえ、借入ですので途上国側は借入額を最小限にとどめようとするインセンティヴが働きます。
プロジェクトの金額が過大かどうかは、かかる費用とそれによって得られる便益(開発効果)で判断されるべきです。そして、少なくとも円借款の場合は、すべての案件について事前評価および事後評価がなされ、一般に公開されています。
なお、返済が始まると、国際基準でのODA額は減り始める、というのはそのとおりですが、この点に関する私の見解はこちらのとおり。
ネットディスバースベースでカウントするODA実績(世界何位、とかいうあれですね)にこだわるのなら確かに問題ですが、二国間援助の目的が二国間関係の増進であるならば、実際にニューマネーとして供与されている金額とその援助効果こそが重要であるはずです。
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