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2009年4月

2009年4月28日 (火)

動的平衡

福岡伸一先生の「動的平衡」を読みました。

「プリオン説は本当か」、「生物と無生物のあいだ」よりも軽めの本なので、物足りないと思う人もいると思いますが、休日の午後に読むにはいい本だと思いました。

特に以下のような点が印象に残っています。

  • 人間は長い進化の過程で培ってきた直感を超えるために勉強する必要があるという点
  • 分子生物学的にはコラーゲンを摂取しても何の意味もない(なぜならば、コラーゲンは体内でアミノ酸に分解されるため、コラーゲンをとったからといってそれがすなわちお肌のコラーゲンになるわけではない。コンドロイチンも同様。
  • ノックアウトマウスを作っても、生命のフィードバック回路がノックアウトされた機能を何らかの形で補うこと。
  • カニバリズムがタブーなのは、死んだ個体の体内にある病原菌を摂取してしまうから(通常、病原菌は種を超えないので安全だが、同じ種だと危険)
  • 象が低周波で会話していて、場合によってはクジラともコミュニケーションをとっているようにもみえること(これはライアル・ワトソンの話の引用ですが)

このほか、森鴎外が細菌学の権威コッホの影響から脚気をビタミン不足と認めず、その結果陸軍の兵士が多く亡くなったエピソードなど、大変興味深く読みました。この内容で新書でお求め易かったらなおよかったのですが、でもお勧めです。

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2009年4月27日 (月)

2歳馬など

ダービーまであとひと月になり、世間では2歳馬の話題も出始めてきました。

私の今年の日本での2歳馬はマイネルウーノ(父オペラハウス)1頭。

遅生まれで血統的にも奥手なので全く評判に上っていませんが、まあ全兄のマイネルシアターもそんな感じだったので、気長に待つことにします。

ビッグレッドでは毎年スタッフがダービー馬(だったかダービーに出る馬だったか)を1頭指名するそうですが、シアターを指名した人はほとんどいなかったそうですから…。

ところで今年のラフィアンの3歳勢は今一つ振るわず、クラシック戦線に乗っている馬がいないのはさびしい限りですが、改めて登録された馬たちを眺めると、これらの種牡馬でよく戦っているなあと。

もともとラフィアンは良血馬は少なかったのですが、さすがにここにきてリーディングサイヤー上位の種牡馬が少ないことが響いてきているような気がします。

もちろん、中にはアグネスタキオンネオユニヴァース、キングカメハメハマンハッタンカフェフジキセキといった社台系の種牡馬の子供たちもいるのですが、どういうわけか、シンボリクリスエス産駒のマイネルエルフクロフネ産駒のマイネルプリマス以外はあまり走らなかった、というのが余計に不振を際立たせてしまっている結果になっています。

もちろん、社台でも走っていないネオユニ産駒はいるわけですから、やはり相馬が素晴らしいといえども、ある種牡馬の子供を1,2頭購入あるいは生産した中から走る馬を出すというのは難しい、ということなのでしょう。

それを考えると、今後のラフィアンを考える上では、自家生産馬の成績の方がよいことも考え合わせると、ロージズインメイ産駒の出来の如何がキーになりますね。

私自身は出資していませんが、ラフィアン全体の浮沈は私の一口人生に大いに影響しますので、ロージズ産駒たちにはぜひ頑張ってもらいたいものです。

馬名 本賞金 種牡馬 生産者
マイネルエルフ 4220 シンボリクリスエス ビッグレッドファーム
マイネルプリマス 2665 クロフネ ビッグレッドファーム
マイネルクラリティ 2070 グラスワンダー コスモヴューファーム
マイネプリンセス 1160 アグネスデジタル ビッグレッドファーム
マイネスターライト 1000 アドマイヤコジーン ビッグレッドファーム
マイネルアヴァル 990 ホワイトマズル スガタ牧場
マイネアリス 950 スペシャルウィーク ビッグレッドファーム
マイネルアウストロ 920 ゴールドアリュール ビッグレッドファーム
マイネルシュトルム 905 チーフベアハート 平山牧場
マイネルテーベ 745 コロナドズクエスト 山本昇寿
マイネルレンツ 735 サニングデール 清水誠一
マイネルウェイヴ 700 マイネルラヴ ビッグレッドファーム
マイネルプライゼン 700 イーグルカフェ 六角久美子
マイネルジェネシス 700 ムーンバラッド 高昭牧場
マイネルカルツェ 665 アグネスデジタル 信岡牧場
マイネルエデン 640 キングヘイロー 飛渡牧場
マイネルプエルト 630 トウカイテイオー ビッグレッドファーム
マイネラプソディ 630 マヤノトップガン ハシモトフアーム
マイネルプロートス 555 ブライアンズタイム コスモヴューファーム
マイネルメビウス 530 マンハッタンカフェ 野口牧場
マイネルエルドラド 510 コロナドズクエスト 須崎牧場
マイネルソレント 385 マーベラスサンデー 樋渡信義
マイネルアリオン 345 アグネスデジタル 静内白井牧場
マイネルクロッシュ 330 アグネスデジタル ビッグレッドファーム
マイネルロワイヤル 275 マイネルラヴ 市川牧場
マイネレーヌ 270 マイネルラヴ 荒井ファーム
マイネルレクシス 260 グラスワンダー 中前義隆
マイネカプリシャス 255 ホワイトマズル イワミ牧場
マイネフォリア 180 マヤノトップガン 久井牧場
マイネルジーニアス 175 コマンダーインチーフ 中神牧場
マイネルバルトーク 170 アフリート メイタイ牧場
マイネシラユキ 150 マイネルラヴ ビッグレッドファーム
マイネチャペル 120 マイネルラヴ コスモヴューファーム
マイネルリズム 120 ホワイトマズル 山際セントラルスタッド
マイネフレア 120 ブライアンズタイム 松浦牧場
マイネルサウダージ 75 バブルガムフェロー 土居忠吉
マイネルラスター 70 ゴールドアリュール 佐々木直孝
マイネルガルボ 70 ホワイトマズル 市川牧場
マイネセレネ 70 パラダイスクリーク 野坂牧場
マイネルモント 70 ミラクルアドマイヤ 武田修一
マイネルサーブル 50 スクワートルスクワート 戸川牧場
マイネチェルシー 50 マンハッタンカフェ ビッグレッドファーム
マイネルジーク 50 キッケンクリス へいはた牧場
マイネルヴァルカン 50 ミラクルアドマイヤ 松田一夫
マイネルフレンズ 0 イーグルカフェ 中川浩典
マイネルヘリオス 0 カリスタグローリ 富川牧場
マイネフェニーチェ 0 ブライアンズタイム ビッグレッドファーム
マイネルセラフィム 0 プリサイスエンド 村下牧場
マイネブルーム 0 サクラプレジデント 平野牧場
マイネサブリナ 0 マイネルラヴ ムラカミファーム
マイネカリナン 0 タイキシャトル ビッグレッドファーム
マイネカルミア 0 ブライアンズタイム ビッグレッドファーム
マイネリュミエール 0 マイネルラヴ ビッグレッドファーム
マイネビアンカ 0 サツカーボーイ 大栄牧場
マイネルブリュット 0 アグネスデジタル コスモヴューファーム
マイネルビバーチェ 0 フジキセキ 日西牧場
マイネルスラッガー 0 チーフベアハート 北陽ファーム
マイネルコルン 0 タニノギムレット ビッグレッドファーム
マイネルコニファー 0 パラダイスクリーク 金舛幸夫
マイネミューズ 0 ステイゴールド ビッグレッドファーム
マイネカノン 0 コロナドズクエスト 桜井牧場
マイネルリンク 0 アグネスデジタル ビッグレッドファーム
マイネルバースト 0 ゴールドヘイロー 村岡農夫
マイネルディアデム 0 キングカメハメハ タガミファーム
マイネルイノセント 0 マイネルラヴ 村下明博
*マイネエアリー 0 Green Tune ビッグレッドファーム
マイネルブリオッソ 0 ステイゴールド 前田宗将
マイネルフェイト 0 マイネルラヴ 平山牧場
マイネルセルサス 0 キングカメハメハ シンボリ牧場
マイネルボーデン 0 アグネスタキオン コスモヴューファーム
マイネルストラウス 0 トワイニング 林孝輝
マイネフロンティア 0 クロフネ ノーザンファーム

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2009年4月26日 (日)

おもしろ科学たんけん

20090425160550_2 土曜日、近所で「おもしろ科学たんけん工房」というNPOが主催する体験塾に参加してきました。

小学校高学年の子どもたちを対象に「万華鏡」を作りながら光の進み方や、鏡の反射の性質を学ぶというもの。

「ブラックでんじろう先生」のように鮮やかな実験道具がポンポンでてくるわけではありませんが、実際に実験を目にして工作をするので、子どもたちも集中していました。

こういうセミナー、良いのだろうなと思っていても実際には参加申し込みをするのを忘れてしまったり、土日は寝てたい(^^; と思ってしまったりして、参加するのは初めてでしたが、子供も満足そうでしたので、これからはきちんとチェックしようかと。

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2009年4月24日 (金)

時間封鎖

Spin 同僚に勧められて読んだ「時間封鎖」(ロバート・チャールズ・ウィルスン著、創元SF文庫)が素晴らしかったです。

ある日突然、地球が黒い膜に覆われてしまい、その膜につつまれた地球では時間の流れが1億倍遅くなってしまう、という設定です。

1億倍遅くなるということは、地球上で1年経つうちに外では1億年の時間が経つことになります。30年たつと30億年で、そのころには太陽は膨張して地球も太陽に飲み込まれてしまいます。

さあどうする? 

どうしようもないように思いますが、人々はある方策でもってこの難関を乗り越えようとします。その方策とは…というのは読んでのお楽しみです。

とにかく、先が読めないので、わくわくしながら読み進みました。描写も話の進め方も丁寧で、本を読んでいる間は膜につつまれた地球ととりまく宇宙の世界にどっぷり浸りました。

SFは、アシモフの「ファウンデーション」シリーズやアーサー・C・クラークの「2001年」シリーズ、「宇宙のランデブー」などの古典以外読んだことがありませんでしたが、最近もこうやって素晴らしい作品が出され続けているんですね。

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2009年4月22日 (水)

国際協力の実施体制

月曜日のAsahi Shimbun Globeに「アフリカ援助の流れを止めるな」と題するエゼクウェシリ世銀アフリカ地域担当副総裁の記事がありました。

その中の一節。

日本と他の援助機関との協力関係も喜ばしい。国際協力銀行(JBIC)は、今後5年間で合計25億ドルをアフリカに投資する計画だ。また、国際協力機構(JICA)とアフリカ開発銀行が交わした覚書は、地域のインフラ整備、農業生産性、民間セクター開発、環境・気候変動、上下水道、紛争後の復興など、アフリカ開発に大きく影響する問題に焦点を当てている。

この文章を読んで、はて、JBICとJICA(の有償資金協力部門)って、なんで別れたんでしたっけ? と不思議な気持ちになりました。鳴り物入りの行政改革だったはずですが、両組織とも同じ文脈で世銀副総裁に評価されるのだったら、一つのままだった方が効果的な支援ができたんじゃないでしょうか。

政策金融改革の時の議論は、JBICの国際金融部門は日本企業支援(と資源開発)がそのメインの役割とされていました。確かに「日本企業支援」は、開発援助や国際協力とは親和性が薄そうです。

しかし、金融危機後のJBICの動きをみていると、日本企業支援というより、その名前のとおり、国際協力や金融秩序の安定という国際公共財の供給を志向しているように見えます。

そうなると、先日の「ODAの終焉」のエントリで書いたように、「ODA」という概念にとらわれずに国際協力を行った方が途上国の支援や国際公共財の供給に有効であるならば、JBIC=OOF、JICA=ODAという分類で分けるというのは、選択としてどうだったのか、ということになります。

もちろん、JBICも前身である日本輸出入銀行のDNAを強く引きずっており、突然日本企業支援の色を捨てた純粋な国際協力機関になるとは思えないので、物事そんなに単純ではないでしょうが。

もし行革が再度あるならば、今度はJICAを援助庁に、という昔からよくある議論だけでなく、日本が国際社会でどういう役割を果たしたいのか、そのためにはどういう組織体制がよいのか、を大きな視点で捉えなおして一から選択肢を考えなおす必要があるようにも思います。

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2009年4月20日 (月)

さらば愛車

20090420_0221 バッテリー切れで動かなくなった愛車ですが、「譲り受けたい」という人がいたので、いったんトヨタで整備したうえで引き取っていただくことになりました。

子どもが小さい頃は保育園の送り迎えなどで大活躍でしたが、最近は買い物程度にしか使っておらず、重さ5kgたらずの買い物のために1トンの鉄の塊を動かしているのはどう考えても割に合わないこと、駐車場代などの年間コストを考えると、それだけの便益を得ているかどうかは微妙なので、一度車なしの生活を試してみることにしました。

車を買い替えずに譲ってしまうことは景気浮揚に貢献していないように見えますが、削減されたコストはその分他の消費に回るのでご心配なく(?)。

それにしても、レッカーに乗せられて行ってしまう姿はドナドナを思い出させ、少し切ない気分になりました。

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2009年4月19日 (日)

本命大穴バイアスを突く

今日の皐月賞は大変見ごたえのあるレースになりそうですね。

本命のロジユニヴァースの単勝オッズは1.8倍(12:30現在)。

2番人気のリーチザクラウンとは年末のラジオNIKKEI杯で勝負づけが済んでいますし、3強の一角アンライバルドはこれまで戦ってきた相手の点で疑問があります。

そう考えるとロジユニヴァースは1.8倍以上に有力な大本命ではないかと思いますが、「本命大穴バイアス」が働いて1.8倍というオッズになっているのではないでしょうか。

というわけで、私にしては大枚の1,000円(笑)をロジユニヴァースに突っ込みます。はてさてどうなりますか。

【レース後追記】

1,000円にしておいてよかった…(^^;。

というか、ラジオNIKKEI杯、弥生賞圧勝の馬が皐月賞14着なんてありえません…。アンライバルドは強かったですね。まさに名の通り。すばらしい。

ところで「本命大穴バイアス」でググると「エナフンさんの梨の木」の「本命=大穴バイアス」というエントリが出てくるのですが、その中でこんな記述が。

また、【市場と感情の経済学(リチャード・H・セイラー ダイヤモンド社)】によると
ハウシュ=ツィエンバが1986年に開発したテクニックは、
連勝単式馬券において、1番人気馬に総流しする馬券を買い続ければ、
非常に高い回収率が得られるそうです。
(1番人気馬から総流しではありません。1番人気馬に対して総流しです。)

へええ、「これもセイラー教授かあ。教授はよほど競馬が好きなんだなあ」、と思いつつ、本日の36レースすべてを1番人気馬2着固定の馬単を総流しで100円ずつ買ったとすると13,900円のプラス(回収率128.6%)になります。

ほおお。

しかし投入額は48,600円。この馬券戦術はPAT残高がつねに1万円前後の私には厳しそうです。

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2009年4月18日 (土)

1番人気だったのに…

マイネルクルーガーは1番人気でのレースとなりました。

道中はいつになく折り合いがつき、良い感じ。マイネルクロイツが飛ばしていったため位置取りは後方でしたが、向こう正面で徐々に前との差をつめ、おお、これならと思ったところで最内で前が詰まったのか、いったん引っ張って外に持ち出す不利。

体勢を立て直す間に同じように後方で待機していた人気どころのニシノコンドコソテンシノゴールドらがクルーガーの外からスムーズに進出していきます。

結局、このときのロスがゴール前でひびいた感じで、あと一歩のところで伸び脚を欠き0.2秒差の4着

掲示板を外さないのは嬉しいのですが、なかなかうまくいかないですね。今日はこれまでのところ武豊騎手もあまりいいところがありませんし、そういう日だったということでしょう…。

ところで中山グランドジャンプは、ユニオンのクルワザードスタルカの2頭が出ますね。スタルカは、障害転向2戦目で圧勝、3戦目でのG1挑戦ということで、びっくりするほどのスピード出世(?)ですね。ついこの間サンベルナールと一緒に走った仲間として、クルワザードともども応援させて頂きます。

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2009年4月17日 (金)

1000万下で入着を繰り返す孝行馬

昔、馬主孝行な馬は、1000万下で入着を繰り返すような馬、と聞いたことがありますが、明日阪神競馬場で出走するマイネルクルーガーは、まさにそんな馬になりつつあります。

このクラスでは0-4-2-4。500万下では2勝しているのですから、派手さはないものの、ある意味理想的な孝行馬です。

しかし明日はぜひ勝ってほしい。

前走に続いて武豊騎手の手綱。ラフィアンの公式サイトによれば、

前走後、ジョッキーサイドから次走もというオファーがあったように、色気があるのでしょう。2回目なので、特徴も掴んでくれたと思う。

という宮師の言葉もありますので、準オープン入りを期待します。

休み明け2戦目は、2-1-0-1と好成績ですしね。

ところで、冒頭の「馬主孝行な馬は…」という言葉を聞いた当時は、900万下でした(800万下だったかも)。このまま賞金が下がり続けると、900万下とか、1500万下というクラスが復活するのでしょうか。懐かしいような、さびしいような…。

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ODAの終焉

ジャン・ミシェル・セヴェリーノ フランス開発庁総裁は、日本ではあまり知られていないと思いますが、我々が普段接しているのとは異なる視点での論評をしていて、勉強になることが多いです。

そのセヴェリーノ総裁がオリヴィエ・レイ氏とともに最近書いた「The End of ODA: Death and Rebirth of a Global Public Policy」(ODAの終焉:グローバルな公共政策の死と再生)と題した論文が面白かったです。

いわく、

  • DACの定義に基づくODAは、途上国の経済社会開発や国際的な公共政策に役に立たないようなものまで含まれている。例えばODAを実施する際の「経費」までもがODAカウントされているので、経費を削減し、実際に途上国で支出されるプロジェクトに回そうというインセンティヴが削がれている。
  • 他方で、ODAの定義には入らないけれども、役に立つ施策が排除されている。たとえば、開発NGOに対する免税は、減税という形での財政的な負担であるにもかかわらずその努力は一切カウントされない。
  • また、「保証」といったスキームも保証が実行されなければODAカウントにならない。こうした施策をODAカウントしないことが、このような有効な手段にリソースを回そうとするインセンティヴを削いでいる。
  • 目的が開発目的で、非営利なのであれば、仮にグラントエレメントが25%を下回っても適切に評価すべきではないか?
  • ODAは「投入」だけを物差しにしているが、「効果」については何も語っていない。効果を測定すべき。
  • そもそもODAはOECD各国の政府間ベースの資源移転を量るものだが、冷戦後、援助は中国やブラジル、トルコ、タイ、湾岸諸国もその量を増大させているし、民間部門(NGOやゲイツ基金)などもその金額がODAの半額を占めるに至っている。受け取る側も必ずしも政府ではなくなっている。

こうした論点を上げた上で、役に立たない従来のODA定義は放棄し、その範囲を広げて代わりに経済成長や国際公共財、基本的な福利厚生に資する支援を「Global Policy Finance」(GPF)と名づけ、量とともに成果と財政的コストを量るものにしよう、としています。

ここで言われていることは結構重要です。

なぜならば、日本も各国も「ODAか否か」で役所や実施機関の機能が規定されており(たとえばODAなら外務省・JICA、より譲許性の低い融資なら財務省・JBICといった具合に)、この仕切りそのものが、本来目的とする経済開発や国際公共財の供与にとって有効でないとなれば、新たな形、たとえばGPFに沿った組織体制に再編する必要があるからです。

外務省が最近発表した意識調査によれば、ODAという言葉を知っているのは63%に上り、ようやく浸透してきた感がありますが、時代は先を行ってしまい、ODAに代わる概念が必要とされているのかもしれません。

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2009年4月11日 (土)

サンベルナールは5着

区切りの30戦目となるサンベルナールでしたが、障害未勝利戦は5着

今日はパンパンの良馬場だったのでスピードのない同馬はそこが不安でしたが、案の定、自身中山2880mではベストタイムの3分14秒台で走ったにもかかわらず、先頭は3分12秒台という速いタイムでの決着になり、勝ち負けするまでには至りませんでした。

なんとか5着は確保したので、ローテーションが引き続き組みやすいのは何よりです。が、次はスピートが要求される東京開催なんですよね…。

なんとか1つ勝ちたいものですが。

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2009年4月10日 (金)

補正予算

東大の岩本先生のブログに「現場から見た補正」というエントリがあって、大変興味深かったです。

ところが,補正予算では「目玉」が要求される。単に手狭な部署にスペースを提供するような地味な事業よりも,人々の注目を引く事業を求める力が働いているように,私には見える。上のセンター構想は目玉になる素質がありそうで,少し前に入った情報だと,もしかして実現するかもしれない。かりに予算がついたならば,その後の経費はどうするつもりなのだろうか。

 国の財政事情は厳しいので,当初予算で賄われる恒常的な経費にはずっと削減の圧力がかかっている(文教科学予算はまだ恵まれている方だが)。また,当初予算は1年以上かけて,予算をつけるか否かが議論される。そうした状況で教育研究活動をやりくりしているときに突然,何か大きな事業はないか,すぐに案を出せ,経費は大きいほどいい,ただし1回限り,という調子で話が舞い込むのが補正予算である。

(中略)

 巨額の補正予算が何年か続くと,当初予算と補正予算の二重基準で現場は大きく撹乱されてしまう。現場で混乱を目撃している人間としては,個人で何とかできる範囲には限界があり,やりきれなさを感じてしまう。
(強調は引用者)

補正について現場で同じように感じている人は少なくないと思いますが、このようにはっきり書けるのはやはり大学の先生だからでしょうか。

補正予算はワンショットです。施設を作ったらその施設はその後何年も残り続けるわけで、その維持管理コストは経常経費からなんとか捻出し続けなければいけません。が、補正を組むときにはバタバタと決まるので、そんなことを検討している時間もない、というわけです。

ところで、これを読んで、外交的理由等で突然供与されることになった開発援助案件についても同様の問題点があるのではないか、と思いました。

開発援助案件では、通常、維持管理費用は支援対象外で、箱モノの投資的支出だけが支援対象です。

受け取る側は、降ってわいたような話に、「もらえるのであればもらっておこう」ということで橋や道路、港湾などの支援を受けたはいいが、、財政状況は短期的には大きく変わらないのでそれらのインフラ投資に見合っただけの維持管理費用は捻出できない、結果施設は利用されるものの整備不行き届きでどんどん効果が薄くなっていく、ということになるケースもあるのではないでしょうか。

なお、補正予算関係では、山内康一議員のこちらのエントリもお勧めです。

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2009年4月 8日 (水)

財政支援を検索する

ウィリアム・イースタリーのブログに、USAIDのホームページはわかりにくいし、電話やメールで問い合わせをしても返事が来ない、あっという間に返事がくるイギリスのDFIDとはえらい違いだ、という記事がありました。

財政支援はどのぐらいあるか、という問い合わせをDFIDにしたら、5クリックでわかった、ということのようですが、では日本の場合はどうでしょうか。

実は、調べる前は「すぐわかるだろう」と思ったのですが、外務省やJICAのHPでは、「財政支援」という検索キーがなく、ぱっとはわかりませんでした。

外務省やJICAでは、問い合わせに対してほったらかしにしておくことはないでしょうが、情報量が満載のウェブサイトでも、色々な目的でアクセスしてくる人すべてのニーズを満たす情報提供というのは難しいのだろうな、と思った次第です。

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2009年4月 7日 (火)

アフリカハゲコウつかまる

千葉市で逃げ出したアフリカハゲコウが無事保護されたというニュースがありました。

市街地を飛んでいるハゲコウをみて、鳥の苦手な家人は「あんなのが待ちにいたらおそろしい」などと言っていましたが、私がウガンダに行ったときには、アフリカハゲコウらしき鳥が街角でゴミをついばんでいました。

イメージ的には、日本のカラスがすべてハゲコウに置き換わったような感じです。あの光景を見た時は「アフリカに来たんだなあ」と思ったものです。

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2009年4月 4日 (土)

マイネルクルーガーに武豊騎乗

土曜日の阪神8R明石特別(芝2000m)にマイネルクルーガー(父Montjeu)が出走しますが、鞍上は武豊騎手。

おお。

これまでもデムーロ騎手や四位騎手など、鞍上に恵まれてきたクルーガーですが、今回はこれ以上ないパートナーです。

現級では2着が4回もありますし、持っている能力からすれば勝ち負けしておかしくないものの、直前の調教ではマイネルインゼルに1秒以上遅れたりしていて、調子がどうなのか、という疑問がありますが、武豊騎手ならなんとかしてくれるのではないか、と期待してしまいます。

ちなみに同馬のTargetのベスト補正タイムは、同じ阪神2000mの京橋特別でのもの。そのあたりにも期待です。

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2009年4月 2日 (木)

主人公が検査院の副長

「鴨川ホルモー」、「鹿男あをによし」が大変面白かったので、「プリンセス・トヨトミも気になりつつも、単行本だったので逡巡していたのですが、そろっと手にとって読んでみたら、なんと主人公が会計検査院の副長と調査官

いえ、別に私は会計検査院の関係者ではないのですが、全く無縁というわけでもないので、思わず買ってしまいました。しかもこんなくだりも。

「でも、いろいろなところに行けるのでしょう」
「まあ、理屈では国の予算が使われたところならどこへでも。政府開発援助などの調査のときは、外国にも行きます。」

政府開発援助のところには、小さく「ODA」とルビがふってあったりします。まあ、そんなところに反応する人はあんまりいないでしょうが…。

本書の舞台は海外ではなく、大阪です。

大阪で検査院の調査官たちがある財団法人の経理検査をしてみると、その財団法人の裏側には想像もしない世界が…という展開。

本の帯を読んでも、いったいどんな小説なのか見当もつきませんが、「いったいどういう展開になるのだろう?」と次が気になっていくページターナーなので、これ以上筋書きが明らかになるようなことは書けなかったのだと思います。

なので私も内容面のことは書けませんが、本当に面白いです。ところどころグッとくるところもありますし(フィールド・オブ・ドリームズ的なグッと来かたです。あやうく電車の中で落涙しそうになりました)、万城目学って本当にすごい作家ですね。

ところで、ラストでODAの実地検査でベトナムに行く、なんていう場面もでてくるのですが、君たちいつから外務検査課に移ったんですか…。もっとも、主人公たちが所属するとされる第6局という組織も本当は存在しないのですが(5局までしかない)。

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2009年4月 1日 (水)

「食糧危機」をあおってはいけない

「食糧危機」をあおってはいけない(川島博之著、文春ペーパーバックス)を読みました。

これは良い本です。

著者は東京大学大学院の准教授ですが、平易な言葉で、しかしレベルを落とさずに解説しています。

人口爆発や途上国の生活水準の向上(肉食の普及)、地球環境の悪化等の要因によって食糧危機が起きる、だから日本は食糧自給率を上げるべきである、という主張をよく聞きます。

しかしこの本では、そもそも先進国は自国の穀物を押し付け合うぐらい食糧を生産しているし、集約的農業を行っているのは日本、西欧など一部の先進国だけで、それ以外の耕地は施肥や品種改良などで生産性を向上する余地がたくさんある、休耕地もたくさんあって、人口も今後増加のペースは落ちていくので、食糧が足りなくなることはない、昨年の食糧価格の高騰は投機マネーが流入した一時的な金融現象である、というのが本書の主張です。

帯にもありますが、人口爆発や「買い負け」で魚が食べられなくなるとか、水も肥料もたりないとか、バイオ燃料によって穀物が人々の口に入らなくなるとか、新聞その他で喧伝されていることについて、冷静に反論していく記述は、痛快でもあります。

ただ、筆者はサブサハラアフリカだけは事情が異なり、政情不安で経済活動が停滞している上に、人口爆発が継続している一方、穀物を輸入するだけの経済的余力がないので食糧問題が重要な課題になっていると指摘します。

では、アフリカはどうしたらよいのか。

食糧価格の高騰で貧困層が打撃を受けているとして、世界銀行やWFPは、今こそ途上国の農業投資を支援すべきだ、と主張していますが、本書の主張は、それとはやや異なっています。

少し長くなりますが、大変興味深いので引用します。

実はこの「アフリカでなぜ化学肥料が使われないか」という問題は、開発経済学の中でも大きなテーマになっています。(中略)

アフリカの農村では輸送のための道路や港湾設備などのインフラが整備されていないので、余分にできた作物を地域の外に運び出すことができないのです。生産した農産物はすべて地元で消費するしかありません。その状態で化学肥料を投入して生産量が上がってしまうと、大量に余ってしまって、価格が暴落してしまうわけです。(中略)

では港を整備したり、倉庫など輸出に必要なインフラを整えて海外の市場にリンクさせれば、アフリカの農業の生産性も大きく上がるのでしょうか。すると今度は国際政治の問題が壁になってきます。(中略)

食糧危機について日本人が真剣に憂慮している一方で、WTOの交渉で先進国が話し合っているのは穀物の押し付け合いなのです。(中略)先進国は彼らの作る穀物を決して買おうとしません。「穀物は自分たちのところでも余っているから」と言って買おうとしないわけです。

先進国から農業技術を導入して穀物を増産しても、、売り先がない限り過剰生産になって、農作物の値段が下がり、農民がよけい苦しむことになってしまいます。

本当にアフリカの人たちを助けたいと思ったら、援助する代わりにコメや小麦を輸入してあげることです。その方がはるかに役に立ちます。これは別に私だけの意見ではありません。アフリカの国々の連合体であるアフリカユニオンや、開発経済学者の中でも多くの人たちが同様の指摘をしています。

ですがメディアではそうした声はほとんど紹介されません。
(「第4章 生産量は本当に限界か?」 強調は引用者)

つまり、農業分野に援助しても、その一方で途上国からの輸入に制限をかけていては、アクセルとブレーキを同時に踏むことになってしまい、効果が出ない、ということです。

本当に途上国のことを考えるのであれば、開発援助政策と貿易政策の「政策の一貫性」が重要なわけですが、扱っている役所も違うし、途上国の農民と自国の農民の利益と、どちらを優先するかといえば、政治の観点からはもちろん後者なわけで、問題解決は容易ではありません。

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