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2009年7月23日 (木)

戦争広告代理店

Sensoukoukoku 「ドキュメント 戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争」(高木徹著、講談社文庫、619円)を読みました。

数年前に話題になった本ですが、大変読み応えのある本で、もっと早く読んでおけばよかったと思いました。

内容は、ボスニア・ヘルツェゴビナ政府が国際世論を味方につけるために、アメリカのPR会社と契約し、その会社が主にアメリカの世論を動かすために米政府、議会、マスコミに働きかけたり、「民族浄化」という用語を作り、国際会議でのスピーチの草稿を作ったりして、ボスニア=被害者、セルビアないしユーゴスラビア連邦政府=侵略者という図式を作り上げていった、というものです。

もともとNHKスペシャルを制作した際の取材が基になっていますが、取材対象が広く、情報合戦に敗北したセルビア側や、ボスニア側民族主義者も同様にひどいことをしているという現場での事実を話したがゆえに失脚させられた国連保護軍の元将軍にも話を聞いていて内容に深みを与えていること、また、ユーゴスラビア連邦が国連から追放される場面などその時々の意思決定の過程にも迫っていて、大変興味深く読みました。

「戦争広告代理店」、「情報操作」というタイトルからは、PR会社がひどいことをしていることを暴露する内容なのか、と思いがちですが、実際にはPR会社は決して事実のねつ造などの情報操作はしていません。

用いる語感、情報を出す相手とタイミングの図り方、マスコミに取り上げてもらう方法などの工夫は見事で、「PR」というもののもつ力を改めて思い知らされた気がします。

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