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2010年5月

2010年5月17日 (月)

ブエナビスタ

空港ロビーでの同僚との何気ない会話。

のはずだったのですが。

同僚 「○○さんって馬持っているんですよね」
私  「いや、持っているというか、100分の1とかですけど」

同僚 「私の父の知り合いもそういうのをやっていて。」
私  「へええ。」

同僚 「で、その人ブエナビスタって馬持っているんですって」

なんですと?!

今、なんとおっしゃいましたか?

いや、あなたそれはすごいことで、どれだけすごいかというと(以下略

こんなことってあるんですね。というか、社台の会員さんだったらあって不思議じゃないのですが。

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2010年5月14日 (金)

記事じゃわからない

日刊ゲンダイに「事業仕分けじゃわからない~JICAの殿サマ商売」という記事が掲載されていたそうです。

JICAが昨年9月から今年3月にエジプト、グルジアで実施した「太陽光クリーンエネルギー導入計画準備調査」。ODA予算から約1億3000万円を投じたプロジェクトだ。調査を請け負った大手コンサルタントO社に、A社長は技術者1人を派遣していた。

「この技術者とは報酬をめぐってトラブルとなり、今年1月に技術者側が一方的に契約解除を申し入れてきたのです。O社には事態を説明し、技術者の代替を要請しました。しかし、エジプト派遣が差し迫っていたため、O社は要請を聞き入れず、その上、弊社に無断で問題の技術者をエジプトに連れて行ったのです」(A社長)

A社長にすれば、O社の行為は重大な契約違反。所属が宙に浮いた技術者が、国際援助に関わっていたことになる。
身元不明の人物を税金を使った海外勤務に参加させたO社をJICAは許すのか――。A社長は2月、JICAに一連の経緯を記した文書を送り見解を求めた。

で、このA社長にJICAの職員が、

「税金で運営しているからといって管理責任、説明義務は全くない」
「実態は何でもいいから海外に行ったという既成事実さえつくれば、こちらの役割は済んだ」

といったということになっています。

よくある公的部門叩きの記事ですが、なんだかすっきりしません。

良く読んでみると、これって問題の発端は、「元請け」(O社)と「下請け」(A社長の会社)とのトラブルで、JICAは直接の契約当事者ではありません。

一般論として、下請けが元請けとの間でトラブルが起きたといって、もともとの発注者に苦情を申し立てられても、発注者的には「いや、それは当事者同士で話し合ってください」ということになるのではないでしょうか。

たぶん、これを書いた記者も、それはわかっていたのでしょう。「所属が宙に浮いた技術者」が次の行では「身元不明の人物」に置き換えられており、いかにも「怪しい」という雰囲気を出していますが、会社を退職したとたん、「身元不明」ということにされてしまうのはおかしいですよね。

JICA職員の言ったとされる言葉が本当なのかどうかわかりませんが、そもそもお門違いクレームを持ち込まれているJICAが、A社長に対してこんなことを言うというのもその理由がよくわかりません。

「税金で運営しているからといって管理責任、説明義務は全くない」

というのは、

「税金で運営しているからといって(JICAが直接の当事者ではない、元請けと下請けの間の契約の)管理責任、(元請けと下請けとのトラブルに関する)説明義務は全くない」

という趣旨だったのではないでしょうか。これならまだ意味が通ります。

しかし、こんなよくわからない記事でも電車のなかで日刊ゲンダイを読んでいる人たちには、やっぱり独法はダメだ、仕分けろ、という印象を与えるんでしょうね。

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2010年5月 6日 (木)

ファンの獲得

20100501113844 先日、紹介した「ジャパンはなぜ負けるのか」では、サッカーファンについても一章が設けられています。

それによると、通常ファンは、「小学校低学年の頃にファンになったら、チームがいかに不出来であろうと、一生そのチームを応援し続ける」というイメージを持たれていますが、実際にデータをみると、ファンは思われているよりも流動的で、「ファン」というよりも「消費者」に近い(つまり移り気)ということが言われています。

これはイギリスでの話ですが、日本でもファンというものはそういうものだと思われているので、この分析は結構面白かったです。

かくいう私は、小学校低学年の時に兵庫県西宮市に住んでいたので、中学生以降、海外赴任の数年間を除いて20年以上横浜に住んでいますが、今も「阪神タイガース」のファンです。

なるほど、ファンは移り気というのは事実だと思いますが、他方において、「三つ子の魂百までも」というように、小学校低学年の頃に「好きになったチーム」というものはなかなか変えられないというのも一面の真実かと思います。

5月1日、子供が所属しているサッカークラブが、横浜F・マリノスの企画で、ジュビロ磐田戦の「前座試合」として、日産スタジアムでプレーし、子供はそのままスタジアムでジュビロ磐田戦のチケットをもらえるというイベントに当選しました。

小学校のサッカークラブは、高学年(5・6年生、L)、中学年(3・4年生、LL)、低学年(1・2年生、SL)と3つに分けられていますが、招待されたのは3・4年生のLLチームでした。

なるほど、この年代の頃にひいきチームを見つけた子供は、一生そのチームを応援し続けるでしょうから、マーケティング戦略としては有効そうです。

一応、うちの子供も、試合前のウォームアップをすぐ真横で見られたり、さらに試合でマリノスが勝ったこともあり、家に帰ってきてからも「オー、Fマリノース、マリノース、マリノース、F・マリノース」と歌っていて、狙いは当たったようです

実を言うと、子供よりも私の方が結構やられてしまい(笑)、思わず、家に帰ってきてから横浜F・マリノスの公式サイトや、スカパーのJリーグパックのHPを見たりしています。子供と同時に親も狙え、というのも先方のマーケティング戦略なんでしょうね。まんまとはまってしまいました。

もうすぐワールドカップということもあり、そのタイミングで「ジャパンは…」を読んだことで、プチサッカーブームが我が家に訪れつつある気配です。

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2010年5月 5日 (水)

戦国鍋TV

Btn02_o 昨日初めてみました。

「戦国鍋TV ~なんとなく歴史が学べる映像~」(TVK、火曜夜11:00~)

武田信玄と上杉謙信の2人が争った川中島の戦いを現代の高校を舞台にしたヤンキー同士の抗争に模した「戦国ヤンキー川中島学園」や、知名度の低い戦国武将がキャバクラ嬢に自らの不遇を慰めてもらう(?)「戦国武将がよくくるキャバクラ」など、よくこんな面白いことを思いつくなあ、と感心しました。

で、そこで語られる知識は正確で、確かに歴史が学べます。

最近、家人がテレビ神奈川の番組にはまっていて(「サクサク」とか、終わってしまったようですが「勝手にガイドライン」とか)、ふうんと思っていましたが、確かに面白かったです。

これまで中央競馬ワイド中継でたくさんお世話になってきたTVKですが、違った楽しみ方がみつけられて収穫のある(?)ゴールデンウィークでした。普段の日はこの時間でも帰ってないからなあ。

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2010年5月 4日 (火)

「ジャパン」はなぜ負けるのか

Why_japan_lose 「「ジャパン」はなぜ負けるのか 経済学が解明するサッカーの不条理」(サイモン・クーパー、ステファン・シマンスキー著、森田浩之訳、NHK出版、2000円+税)を読みました。

いやあ、これは面白い。

マネー・ボール」のサッカー版といった趣ですが、取り上げているトピックの話題が幅広く、結構分厚い本ですが、すぐ読み終わってしまいました。統計から我々が持っている常識を覆すプロセスは非常に面白いです。まあ、私がこういう類の本が好きというのもありますが。

サッカーの国際試合における得失点差は、統計の「重回帰分析」をしてみると「国際試合の経験数」、「国の人口」、「所得水準」の3つの「リソース」と相関があるそうです。それを日本に当てはめてみると、日本は人口、所得水準でアドバンテージがある一方、国際試合の経験数でハンディを負っている(欧州の国は700試合以上の経験があるのに対し、日本は341試合)そうです。

重回帰分析の結果は、日本は1試合あたりの平均で対戦相手を0.75ゴール上回っていておかしくないということなのですが、実際の結果(1980年~2001年)の実際の戦績をみると0.56ゴールしか上回っていない。統計分析からは、持っているリソースから判断して日本はもっとやれてよいはず、ことになります。

では、日本代表が成績を上げるにはどうしたらよいか。

著者は、日本が現在サッカーの先進地域である西ヨーロッパ(ワールドカップの優勝国も多くがこの地域から出ていて、ブラジルでさえも西ヨーロッパのサッカースタイルを取り入れようとしている)のネットワークから地理的に離れていることをハンデとして挙げます。

そして韓国やオーストラリア、トルコ、ギリシアが西ヨーロッパ出身の指導者を招き入れることによって、それまでのサッカースタイルを変え、それが躍進につながったことを述べています。

日本代表が決定力不足であることの原因を日本の国民性に求める論調についても、別に日本が特殊なわけではなくて、トルコやギリシャにも特殊性はあったが、それは克服可能であることはこうした国々が証明済で、そうすればサッカーの周辺国であった日本が他のサッカー新興国(人口が大きく、所得水準も一定水準をクリアしている)オーストラリアやロシア、やがては中国とともにトップクラスの国になる可能性がある、ということが書いてあります。

私はサッカーには詳しくないので、この主張が正しいのかどうか(西ヨーロッパの指導者を招けば強くなる?)はわからないのですが、韓国やトルコ、ギリシャの例を挙げられると、ふうむ、と思ってしまいます。

あと印象に残ったのは、ワールドカップや欧州選手権が開催され、それに代表チームが参加した年は、各国とも自殺者の数が減っているという統計。これは、チームの活躍とはあまり関係なく(すぐ敗退したからといって自殺者は増えない)、著者たちは、代表が出場することで人々は「帰属意識」や「周囲との一体感」を持ち、それが命を救っていると分析しています。

本書では、自殺者とワールドカップへの代表チームへの出場にかかるデータはないのですが、今年の日本ではどうでしょうか。日本をひとつにするような活躍を日本チームがしてくれることを期待したいと思います。

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2010年5月 3日 (月)

ユニオン2010ラインアップ

ユニオンの会報(5月号)が届き、その中にペガサス2010のラインアップが掲載されていました。毎年わくわくするシーズンの始まりです。

ぱっと見て、ユニオンも会員の期待に応えようと頑張っているんだな、と心強く思いました。以前、関東入厩予定牡馬がわずか3頭というラインアップのときには愕然としましたが、今年は関東入厩予定牡馬は7頭、関西入厩舎予定牡馬は9頭の計16頭(40頭中)になっています。

種牡馬もリーディング上位のマンハッタンカフェ、シンボリクリスエス、フジキセキ、ブライアンズタイム、タニノギムレット、産駒の活躍が目覚ましいゼンノロブロイ、新種牡馬アドマイヤムーン、ダイワメジャー、話題が続きそうなディープインパクトなどが揃えられていて目移りがします。

価格や入厩予定先、育成場も不明ですので、このリストだけではなんともいえませんが、母系もユニオンゆかりの活躍馬、兄弟に活躍馬のいる馬が多く、パンフレットの到着が楽しみになってきました。

社台グループ優位の状況は変わりませんが、他方において、BTCを利用する育成場が増え、その育成場間で切磋琢磨し、活躍馬が出ている様子をみれば、いつまでも日高の馬たちが劣勢のままにあるということはないでしょう。

また、活躍馬が出ているメンバー牧場の馬は、牝馬であっても安定的に売れている状況をみれば、株主牧場や参加牧場にとってもいい馬をユニオンに提供するインセンティヴになっているはず。

個人馬主に売却するよりもクラブに提供する方が全体価格は高く設定できるでしょうから(会員制クラブの方がリスクが分散できるため、会員は多少高い価格設定でも気に入れば出資する)、活躍馬が出る→会員が出資する→よい馬を提供する、という好循環がユニオンでも産まれてほしいものです。

【ぱっと見で気になった馬】

ゼンノロブロイ×ラグジャリー(牝、矢野牧場)
タニノギムレット×シーセモア(牝、上水牧場)

キングカメハメハ×ヒシバイタル(牡、矢野牧場)
リンカーン×ウメノコトブキ(牡、YSスタッド)

ネオユニヴァース×リトルスポーツカー(牡、天羽禮治牧場)
ファンタスティックライト×ブリリアントアイ(牝、静内白井牧場)

ブライアンズタイム×スウィートエルフ(牝、槙本牧場)
ディクタット×オオシマルチア(牝、大島牧場)

ディープインパクト×ディキシーランドジェム(牝、キヨタケ牧場)
フジキセキ×メガミゲラン(牡、白井牧場)

マンハッタンカフェ×ダンシングエルフ(槙本牧場)
アドマイヤムーン×タイキフォレスト(オリオンファーム)

シンボリクリスエス×グレートハーベスト(グランド牧場)

いやあ、こんなにいたら絞るのに苦労しそうです。

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2010年5月 1日 (土)

求められる人材と手当の水準(その2)

先般、事業仕分けをされた田嶋衆議院議員のつぶやきから。

それにしてもJICA職員の厚遇振りは想像以上。しかもそれで途上国支援がミッションだから、多くの国民が違和感覚える。ドッポウ一律にラスパイレス70くらいが民間の感覚じゃないか。

いくつか感想を。

1.業務の質も内容も異なる、すなわち必要とされる人材も異なる独立行政法人の給与について、「一律に」ラスパイレス70ぐらいとする感覚というのは…。

田嶋先生は、米国ペンシルバニア大学ウォートン校のMBAホルダーだそうですが、業務の内容にかかわらず給与水準は一律にするって、それって経営学の教えるところなのでしょうか。どちらかというと統制経済、共産主義の匂いがしますが。

2.「途上国支援がミッションだから」厚遇が違和感がある、ということは、途上国支援をしている組織は、より給与が低くなければならないということですよね。

では田嶋先生も働かれていた、「The World Free from Poverty」を掲げる世界銀行グループの待遇はどうなのでしょうか。いろんな職種があるので一概には言えないでしょうが、部長級、課長級の待遇は相当に手厚いと聞いています。出張時に宿泊するホテルも安全対策を理由に常に超一流ですし。

先生のつぶやきの論理的帰結としては、世銀も途上国支援がミッションですから、給与は低くあるべき(?)で、民主党としては理事会を通じて世銀職員の給与を日本の国家公務員以下に下げろと主張されるおつもりでしょうか。

JICAでは転職者が相次いでおり、そのかなりの部分が国際機関への転職と聞いています。転職の理由は待遇だけではないでしょうが、ラスパイレス70の適用が現実のものとなれば、JICAから世銀やアジア開発銀行への人材流出の流れはさらに強まると予想されます。

国際機関職員に日本人が増えるのはよいことですが、そのかわりに日本の行政組織が弱体化するのは困ったことです。まして、開発援助の世界は、伝統的ドナーのみならず中国などの新興国ドナーとの競争も激しくなっているのですから、その足腰が弱まっては外交にも支障をきたすでしょうし、民主党が政策インデックスに掲げている2015年までのMDGs達成への貢献も弱まるでしょう。

無駄は削減すべきですし、組織の効率的な運営を促進する圧力をかける点で事業仕分けは有効な手段だと思いますが、「国民感覚として違和感がある」という感情論ではなく、組織を最小のコストで最大の成果が出せるような、経営的視点での変革を促すことが必要です。でないと単に「安かろう悪かろう」になり、国家のかじ取りを誤ることにもなりかねません。

独立行政法人といえども、民間では供給できない公共財を国民に提供しているのですから、コスト削減とともに提供されるサービスの質を低下させない工夫も同時に考えていただきたいものです。

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