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2010年5月14日 (金)

記事じゃわからない

日刊ゲンダイに「事業仕分けじゃわからない~JICAの殿サマ商売」という記事が掲載されていたそうです。

JICAが昨年9月から今年3月にエジプト、グルジアで実施した「太陽光クリーンエネルギー導入計画準備調査」。ODA予算から約1億3000万円を投じたプロジェクトだ。調査を請け負った大手コンサルタントO社に、A社長は技術者1人を派遣していた。

「この技術者とは報酬をめぐってトラブルとなり、今年1月に技術者側が一方的に契約解除を申し入れてきたのです。O社には事態を説明し、技術者の代替を要請しました。しかし、エジプト派遣が差し迫っていたため、O社は要請を聞き入れず、その上、弊社に無断で問題の技術者をエジプトに連れて行ったのです」(A社長)

A社長にすれば、O社の行為は重大な契約違反。所属が宙に浮いた技術者が、国際援助に関わっていたことになる。
身元不明の人物を税金を使った海外勤務に参加させたO社をJICAは許すのか――。A社長は2月、JICAに一連の経緯を記した文書を送り見解を求めた。

で、このA社長にJICAの職員が、

「税金で運営しているからといって管理責任、説明義務は全くない」
「実態は何でもいいから海外に行ったという既成事実さえつくれば、こちらの役割は済んだ」

といったということになっています。

よくある公的部門叩きの記事ですが、なんだかすっきりしません。

良く読んでみると、これって問題の発端は、「元請け」(O社)と「下請け」(A社長の会社)とのトラブルで、JICAは直接の契約当事者ではありません。

一般論として、下請けが元請けとの間でトラブルが起きたといって、もともとの発注者に苦情を申し立てられても、発注者的には「いや、それは当事者同士で話し合ってください」ということになるのではないでしょうか。

たぶん、これを書いた記者も、それはわかっていたのでしょう。「所属が宙に浮いた技術者」が次の行では「身元不明の人物」に置き換えられており、いかにも「怪しい」という雰囲気を出していますが、会社を退職したとたん、「身元不明」ということにされてしまうのはおかしいですよね。

JICA職員の言ったとされる言葉が本当なのかどうかわかりませんが、そもそもお門違いクレームを持ち込まれているJICAが、A社長に対してこんなことを言うというのもその理由がよくわかりません。

「税金で運営しているからといって管理責任、説明義務は全くない」

というのは、

「税金で運営しているからといって(JICAが直接の当事者ではない、元請けと下請けの間の契約の)管理責任、(元請けと下請けとのトラブルに関する)説明義務は全くない」

という趣旨だったのではないでしょうか。これならまだ意味が通ります。

しかし、こんなよくわからない記事でも電車のなかで日刊ゲンダイを読んでいる人たちには、やっぱり独法はダメだ、仕分けろ、という印象を与えるんでしょうね。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

bangkokさん、こんにちは。
コメント頂きありがとうございました。私の方も余裕がなくて、返信が遅くなってしまい申し訳ありません。

情報の取捨選択は難しいですよね。最近は情報量を処理しきれないことに焦りを感じますが、読み流すことすらできない状況でひとつひとつの記事について「ここのところ変だなあ」と突っ込みを入れることは至難のワザだと思います。

普段読んでいる記事で「これはひどい」と思うものの、ひょっとしたら当事者からすれば偏っているのかもしれませんね。なので、自分で目に付いた記事で、これはちょっと、というものはエントリすることにしているのですが。

今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: participant | 2010年6月20日 (日) 14時10分

余裕が無く、久しぶりに拝見しました。投稿は初めてです。ホントですね。記者の皆さんが(皆さんが難しければ太宗の方々が)、せめて必要最小限の良心を持つようにならないと、この国はよくならないですね。もちろん、行政側もきちんと説明責任を果たさなければならないし、一般国民も偏った情報に依存せずそれぞれバランスの取れた思考をしなければなりませんが。

投稿: bangkok | 2010年6月 6日 (日) 14時26分

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