バトルプランについて
もう今年度募集中の馬たちには出資はしない(したくてもできない)のですが、今年度の募集馬のうち父にバトルプランを持っている馬が何頭かいて、どうも気になります。
バトルプランは、その父エンパイアメーカー産駒が大ブレイクしていることから注目を集めているわけですが、私が気になる理由はエンパイアメーカー直仔だからではありません。
高橋源一郎の本に「競馬漂流記 では、また、世界のどこかの観客席で」という競馬エッセイがあります(集英社文庫、定価720円+税)。
90年代半ばごろに週刊ギャロップに連載されていたものをまとめた本で、当時、自分もたまたまイギリスに住んでいて海外競馬に目覚めたころだったこともあり、一編一編、とても懐かしく読みました。
その中に「泣くなかれ、今日だけは」というエッセイがあります。
これは、94年のBCジュヴェナイルフィリーズでフランダースFlanders(父Seeking the Gold)がセレナズソングと激しいデッドヒートの末、差し替えして勝利したときのことを書いたものなのですが、そこにはこう書いてあります。
「すげえ」ジョーは興奮しきった顔で呻いた。観客席も記者席も一様に、いま眼前で繰り広げられたレースの凄まじさにただ茫然としているだけだった。そして、人々はフランダースの凱旋を、盛大な拍手で迎えようと、2コーナーから1コーナーの邦楽に視線をやった。だが、いま戴冠したばかりの女王は帰ってこなかった。
「見ろ」記者の誰かが叫んだ。私たちは双眼鏡を覗いた。向う正面でパット・デイがフランダースから下馬し、心配そうに様子を窺っているのが見えた。
「骨折だ」
競馬場に静寂が訪れた。私たちは馬運車がフランダースを運び入れ、立ち去るのを黙って見た。それはよく見かける光景だった。だが、いつまでも慣れることのできない光景でもあった。(後略)
私はこのエッセイを読んで、てっきりフランダースのその後は悲しいものだと思いこんでいたので、バトルプランの血統表に「フランダース 1992」の文字を発見したときにはちょっと興奮しました。
フランダース、無事に繁殖入りしていて、しかもバトルプランという活躍馬を産んでいたんだなあと。
うう、こう書いているとバトルプランの子がなんだかほしくなってきたぞ。ユニオンで募集中の「バトルプラン×クリスエスマーチ」 という牡馬がいるのですが、馬格があるうえに馬体のバランスがすごくいいんですよね。
なになに、近況によれば、「馬体重は500kg台の大型馬であるが、とても素軽い走りを見せている。騎乗者は「身のこなしが良く、キャンターを乗るのが楽しみ」と期待を寄せている」とな。一口48,500円か…。
おっと、これ以上カタログを開いて考えていると危ないので、閉じて寝ます(笑)。
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コメント
もるげんさん、あけましておめでとうございます。こちらこそご無沙汰しております。
アイリッシュクレアに行かれましたか。往年のレッドグループ(あれ、グリーングループでしたっけ。どっちが20口募集だったか忘れてしまいました)、いいですね。
近親ディープインパクトでうちのスターズインハーアイズの12とも近親になりますので、よろしくです。
バトルプラン、父に似て馬体のバランスがいい馬が多いので、結構やるのではないかと期待しています。いったん気になると募集締め切り日までカタログから誘惑してくるので気が抜けません(笑)。
投稿: participant | 2014年1月 8日 (水) 00時58分
あけましておめでとうございます。ごぶさたです。
バトルプラン産駒、いいですよね。
♪もしかしてだけど もしかしてだけど
それってオイラを誘ってるんじゃないの
http://www.youtube.com/watch?v=hdHSOYtpp1Y
2010年産駒、ラフィアン出資馬壊滅状態でホウオウが故障という状況の中、よせばいいのにアイリッシュクレアに出資しております。
投稿: もるげん | 2014年1月 7日 (火) 19時24分